飯田ネオ

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プロが教える、不動産の見方・楽しみ方

tsukuruba(ツクルバ)が運営するcowcamoは、中古住宅のオンラインマーケット。物件のスペックだけでは語り尽くせない、住まいの「ストーリー」を伝えるcowcamoコンテンツチームの伊勢谷亜耶子さん、若菜五月さん、平野翔子さんにお話をうかがった。リノベーション済みヴィンテージマンションの見極め方とは_9

記事の構成を議論している様子

──皆さんそれぞれの「不動産の萌えポイント」はありますか?

若菜さん:う〜ん、たくさんありますけど、やっぱり“お顔立ち”ですよね。いい顔立ちのマンションを見ると「育ちがいいなあ、このマンションは」って思います。共用部に味のあるレリーフがあったりすると、ここができた時にいろいろと話し合って付けたんだろうなとか想像しちゃって……。

ソファとか絨毯とか、共用部のしつらいや管理状態で、マンションの顔立ちって変わってくるんですよ。

平野さん:私はスタイリッシュな、今どきっぽいシュッとした感じが好きですね。

若菜さん:塩顔がいいんだ(笑)!

平野さん:高層ビルとかタワーマンションはちょっと違うんですけど、つるっとして凹凸がないシャープな外観のほうが、戸建てにはない、マンションならではのよさを感じるんです(笑)。

若菜さん:僕は昭和のおじきみたいな、中曽根康弘・元首相みたいな物件が好きですね。時代の背景として、きちんとお金がかかった物件なんですよね。例えば、昔はコンクリートに川の砂を使っていたんですけど、今はそれが取れないから海の砂を使っているんです。だから、昔のコンクリートのほうが質はよかったんじゃないかと言われています。

伊勢谷さん:年月を経ることで、貫禄が出ますね。純喫茶と一緒で、経年が味になったよさがあります。古きよきものはリノベーションでひと手間加えて、住みやすいように作り直す。いい素材を活かしながら住み継いでほしいんです。

若菜さん:こうして話していると、なぜcowcamoにはタワーマンションを載せないか分かった気がします。新築ピカピカのタワーマンションは、今から何十年を経て、ヴィンテージマンションのような味わいを持つ想像がつかないんですよね。もちろん中古でも築浅物件はあるんですけど、物件を選ぶ時はそういう味わいがあるかどうか、あるいは今後そういう年の取り方をするか、まで考えています。

cowcamoチーム珠玉の「物件コピー」たち

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──cowcamoは記事のタイトルがとても印象的で「コンビニまで5分」「駅から10分」という情報より奥行きがありますね。これはどうやって考えているんでしょう?

伊勢谷さん:コピーは、ギリギリまで粘って公開直前に付けます。基本的にcowcamoで物件を探してくださる皆さんには「遊び心を持って暮らしてほしい」思いがあるので、ちょっとひねったタイトルのほうがいいと思っています。造語系、擬人化系、パロディ系など……。私はわりと妄想癖があるので、そこからタイトルを考えることもあります(笑)。

例えば、大人っぽくエロティックな内装の物件に「トワイライトと君の横顔」と名付けました。彼とデートの後に家に帰ってきて、ごはんを食べようと彼女が料理をつくっていてパッと振り向いたら、ガラス越しに夕日を浴びながら彼氏が寝ている……みたいなイメージで(笑)。

造語系だと、築浅物件で場所が築地だったので「鮮築! いっちょあがり」っていうのもありましたね。

若菜さん:「男っぽくて強く優しい」みたいに、物件を擬人化することもあります。「カレーなるカフェ通いの日々」は、原宿と千駄ヶ谷の間の物件。この辺りはカレー屋が多くて、おそらくこの辺りに住む人は自炊よりカフェで食事することが多そうだなと思って。生活スタイルと周辺環境をミックスして考えました。

平野さん:PARCOと東急ハンズの間に建つ渋谷の物件は「宇田川町check1, 2!」(笑)。これは「宇田川町に住むなんてヤバくない?」という気持ちを、全面に押し出しました。また、屋上が庭園になっている、中野ブロードウェイのヴィンテージマンションは「オタクの上の驚愕のお宅」。ダジャレも使いますね(笑)。

若菜さん:こうやっていろいろ考えるのは、やっぱりパッと見てフックになるものであってほしいからなんですよね。Facebookに載っていた物件のタイトルが気になってクリックして、ご契約に繋がったケースもありました。お子さんのお名前に関連した「おひさま」というワードが気になったそうです。タイトルが活きたのが、本当に嬉しかったですね。

物件探しの際に「ここだけは見るべき」プロ目線のポイント

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──一般の人が物件を探す時「ここだけは見るべき」ポイントを教えてください。

平野さん:チェックすべきはマンションの管理状態。まずは、植栽の手入れがされているか、ゴミ置き場の様子、掲示板に情報がちゃんと張り出されているか、という点を見るといいと思います。エレベーターや玄関ドア、窓のサッシが新しくなっていると「管理が行き届いてるな」と思いますね。

若菜さん:今挙げたのは、どれもお金がかかるメンテナンスばかりなんです。例えばエレベーターを新しくすると、1,000万円以上かかりますからね。共用部を見れば、お住まいの方々が高い意識を持ってマンションを大切にされているかが分かります。

伊勢谷さん:共用部は萌えるだけじゃなく、重要なポイントなんです。あとはバルコニーの洗濯ものや、自転車置場にきちんと自転車が並んでいるか、子ども用の自転車はあるか……といった、住人の暮らしぶりも重要です。内装に関しては、自分たちの生活にフィットするものを選べば問題ないと思います。内装は変えられますけど、共用部やコミュニティはもうでき上がっているものですからね。


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飯田ネオ

編集者、ライター、「TOweb」編集長。浅草生まれ錦糸町育ちで、実家の海抜は0m。東京の街の歴史を掘るのが仕事であり趣味でもあります。ラム、ウニ、レバーNG。

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