断熱や防音などの性能に優れ、プライバシーがしっかり守られている現代の居住空間。
そんな恵まれた環境でありながら、たまには昔の「不便さ」を楽しんでみるという贅沢が、東京にあるんです!
階段がきしむ音、近所の生活音も楽しいホテル、その名は「Bamba Hotel」。
かつての宿場町「品川宿」に佇む、築70年の長屋をリノベーションしたホテルなんです。
江戸時代、東京・日本橋と京都・三条大橋を結ぶ主要街道だった東海道。品川宿は東海道五十三次の第一宿場として栄えていました。
京急線の新馬場駅は、品川宿に存在していた馬の停車場が由来になって生まれた駅。
ここに、都心ではめずらしい一棟貸し切りホテル「Bamba Hotel」があります。
新馬場駅から徒歩1分の好立地ですが、初回の宿泊時には、コンシェルジュが出迎えてくれるサービス付き。
うっかりしていると通りすぎてしまいそうな小さなエントランスを入ると、友人の家に遊びにきたかのような空間が出迎えてくれます。
2階建て、約51平米のこのホテルは、1階にティールームラウンジ、シアタールーム、バスルーム&レインシャワーバスタブなど、2階にコネクティングベッドルーム(2部屋をカーテン仕切り可能)、ロフトスペースなどがあります。
チェックインを済ませ、まず案内されたのは「シアタールーム」。天井には歴史を感じさせる梁と裸電球、床にはちゃぶ台が。
ここでいただく食事は、近所の飲食店からの出前を利用しています。出前がルームサービスになるというのも、おもしろいですね。
1棟貸し切りですから、どう使うかは自分次第。
仲間と鍋を囲むもよし、お酒を酌み交わすのもよし、布団を敷いて眠ってもよし。
ホテルなのに、実家に帰ってきたような落ち着きと懐かしさを感じながら、座布団を枕にごろ寝したら、とっても懐かしくていい気持ちでした!
シアタールームの一角には「電話料金箱」なるものが。昭和レトロな黒電話が、いい雰囲気を醸し出しています。
バスルームをのぞくと、猫脚のバスタブに、アンティークな調度品が置かれた洗面台が。
内装や備品、家具は国内外から収集し、古民家の懐かしい雰囲気にモダンさを組みわせてデザインしたそうです。
階段をゆっくり気をつけながらのぼると、寝室があります。
長屋だけに、ときには近隣住民の生活音や、道路を往来する人の声が気になることもあるかもしれませんが、かつては当たり前だった日本の日常を懐かしむのも、また一興。
慣れない現代っ子や、海外からのお客様には耳栓のサービスもありますよ。
寝具はもちろん布団。
コネクティングルームとなっているので、雑魚寝はもちろん、2部屋をカーテンで仕切ることもできます。
子どものころからマンション住まいという人も多い現代の日本において、「Bamba Hotel」が守り続ける長屋の文化は、なつかしくてあたたかい特別なもの。
一棟貸し切りだからこそできる自由な滞在と、大切な人との水入らずの時間を大切にできるこの宿は、訪れる人を「おかえなさい」と、いつでもやさしく出迎えてくれることでしょう。