賃貸住宅を再定義する「賃貸空間タワー」
大東建託×藤本壮介さんによる「賃貸空間タワー」は、賃貸住宅を再定義しています。
自分の部屋(プライベートな空間)を最小化し、贅沢な広いキッチン、広々としたバスルーム、ゆったりしたシアタールームやライブラリー、菜園など共用空間を最大化。プライベートと共有部分を明確に分けて、新たに結合し直したことで、通常の賃貸住宅とも、シェアハウスとも異なる新しい賃貸住宅のかたちができています。
藤本さんらしい入り組んだパズルのような建築は、まるで小さな街。「1つ屋根の下に集まる」意識で、子ども、学生、夫婦、お年寄りが繋がるというコンセプトは、昔の日本にあった豊かなコミュニティのように感じられます。
共有空間は、占有したいときには有料で使用することで、全体の運用をしていくそうです。
家の建て方を自由にする「凝縮と開放の家」
LIXIL×坂茂さんによる「凝縮と開放の家」は、家の建て方自体を自由自在にします。
バスルーム、トイレ、キッチン、洗面という水まわりを1つのユニットに集約し、部屋のどこにでも配置できる画期的なシステム「LIFE CORE」を開発しました。通常は床下を通す配管が、すべて上を通るようになっていることで、設置も修理も容易にできます。
また、家の骨組みがシンプルにユニット化しているので、どのくらいの広さで、どんな間取りにして、「LIFE CORE」をどこに置くか、誰でも簡単に決められます。
骨組みは、坂さん独自の、段ボールを薄板で挟み込んだ、強度と軽さを備えた建築構造「PHPパネル」。軽くてローコストなので、運ぶのが容易で、短工期で家ができるんです。家を早く作りたい人にも、災害時の仮設住宅にも最適。
しかも、なんとWebで設計や見積もりが可能なので、誰でも簡単に家をデザインすることができるようになるという、すごくおもしろい提案です。ローコストとは思えない、満足度が高い開放的で明るい空間でした。
壁一面の窓ガラスがスムーズに開閉したり、一瞬でスモーク/クリアガラスになる新技術も惜しみなく搭載しています。
そのほか、実現することを思うだけで楽しい、これまで見たことがない家が並びます。
連日暑い会場は、水羊羹とアイスコーヒーでひとやすみできるAGF×長谷川豪の「冷涼珈琲店─煎」や、麦わら帽子の販売所など、楽しく展示を回れる構成になっています。
建築家など豪華メンバーによるトークセッションも連日開催中。
まったく新しい「暮らし方」に触れ、近い未来に期待したくなる、なんともワクワクする展示です。
開催場所:東京・お台場・青海駅前 特設会場(東京都江東区青海2-1)
開催期間:2016年7月30日(土)〜8月28日(日)11:00〜21:00(閉館時間を延長中、最終日は〜19:30)
入場料:一般1,800円 学生1,500円(どちらも税込)
Webサイト
参加企業、クリエイター
ヤマトホールディングス×柴田文江
Airbnb×長谷川豪
Panasonic×永山祐子
無印良品×アトリエ・ワン
三越伊勢丹×谷尻誠・吉田愛
大東建託×藤本壮介
LIXIL×坂茂
住友林業×西畠清順・隈研吾
凸版印刷×日本デザインセンター原デザイン研究所
TOTO・YKK AP×五十嵐淳・藤森泰司
TOYOTA×隈研吾
カルチュア・コンビニエンス・クラブ×日本デザインセンター原デザイン研究所・中島信也
AGF×長谷川豪
Cassina ixc.
蔦屋書店