敷地の価値・魅力・文脈を読み取って、立地の魅力を最大限引き出すのが、建築家の仕事。
それは山の中でも、住宅地でも、住宅でも、オフィスでも同じです。
吉村靖孝建築設計事務所による、海に面する「Nowhere but Sajima」もまた、海沿いという場所の魅力を最大限に引き出した建築。神奈川県の海沿いに建つ、3階建ての別荘です。
敷地は変形した5角形。この敷地に対し、吉村さんは3角形の形状を描きました。
その上で、この敷地がもつ1番の強みである”海への眺望“を活かすため、隣接する建物や道路側にはほとんど窓を設けず、海側にのみ設けています。
窓の大きさや形状、向き、テラスを挟むなどの工夫によって、それぞれの部屋から見える海の表情が、まったく異なるように作られています。
リビングの窓なんて、床から壁・天井まで、一面が窓。
窓枠がほとんど見えない作りなので、海とつながっているような開放感です。
リビングやベッドルーム、ダイニングに加え、バスルームも海側に配置されていて、1日のほとんどの時間、海を見ながら過ごせます。
ちなみに「Nowhere but Sajima」は誰かの持ち物ではなく、レンタルできる別荘、いわゆる貸し別荘なんです。
レンタルは1週間単位で可能。別荘や住宅といったスモールスケールの名建築は、中に入ることがなかなかできないのが一般的ですが、ここなら1週間じっくりと体験できるわけです。
家族4人、犬2匹までは入れるそうなので、興味のある方はぜひ!
神奈川県横須賀市佐島3-10-8
[海辺のリゾート貸別荘 Nowhere resort]
Photograghed by Yasutaka Yoshimura