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人気連載「みんなの部屋」vol.31。部屋づくりのアイデア、お気に入りの家具やアイテムなどの紹介を通して、リアルでさまざまな「暮らしの在り方」にフォーカスします。

食や家具を中心としたライフスタイルまわりの編集、執筆を行う「BOOKLUCK」代表の山村光春さん。渋谷区の最寄り駅から徒歩10分程度の、眺めがいいビンテージマンションにある彼の自宅には、時代や場所を超えた雑貨がディスプレイされている。昨年から、長野との“2拠点生活”もはじめた山村さんは、この東京の部屋にどんなこだわりを持っているのだろうか。

名前:山村光春さん
職業:BOOKLUCK 代表取締役社長
場所:東京都渋谷区
面積:1LDK 約40平米
家賃:非公開
築年数:1960年代

渋谷区の1960年代ビンテージマンションでおしゃれなインテリアに囲まれて二拠点居住しながら暮らすBOOKLUCK代表の山村光春さん_1


お気に入りの場所

キッチンコーナー

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アンティークな風合いのキッチン。振り返って使用できるよう置いた棚は、盛り付けなどの作業するのにちょうどよい高さ。棚には食器や調味料を収納している。

器はおもに、仕事をしているhalutaの北欧ビンテージのものと、最近手がけた書籍『ニッポン最高の手しごと』の取材で訪れた民藝の焼きものを、気分に合わせて使っているとのこと。


ソファスペース

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TRUCK」のソファは1.5人掛けで、沈み込むような座り心地。とことんくつろぐときは、アームに足を乗せて読書をするのが山村さんスタイル。


デスクまわり

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家にいるときは、だいたいデスクまわりで仕事をしているという。壁面にはインスピレーションを刺激するデザイン画や思い出のスケッチが貼られ、手元にはレトロなマグカップウォーマー。

「家では、ここにいちばん長くいるのは間違いないですね」


この部屋に決めた理由

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「部屋に入った瞬間の抜け感が印象的でした」

5階の窓からの眺めにひと目惚れ。窓には網戸も柵もないが、古いマンションのそういうディテールが好きだと話す山村さん。この解放感がなくなるのがもったいないので、カーテンは付けていない。

残念なところ

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新築よりも、古いマンションのほうが好きだという彼も、唯一の欠点として挙げたのがお風呂。

「ここのお風呂はリフォームされていないので、60年代当時のままです。新築だと『お湯がたまりました』って機械が教えてくれるでしょ? ああいうのにちょっと憧れますね(笑)」

お気に入りのアイテム

ふくろうアイテム

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「ふくろうって、学問の神さまだったり、苦労知らずだったり、昔からいろいろな意味が込められていますが、その中で“福を呼ぶ”というのがあります。実はこの部屋にあるふくろうアイテムは、ほとんどが知り合いからのもらい物ばかりなんです。僕が『ふくろうが好き』と言っていたら、いろいろな人がふくろうを見ると僕を思い出してくれて、買ってきてくれたりするんですよ。人との縁をつないでくれることが、僕にとっては何よりもの“福”だと思っています」

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ふくろう好きな山村さんが「自分の中のふくろうコレクションの集大成」と位置付けている絵画。彫刻家・三沢厚彦さんによる作品で、何気なく立ち寄ったアートフェスで目が釘付けになり、衝動買いしてしまったとか。


ワーキングデスク

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ワーキングデスクは静岡県沼津市の家具職人「O.F.C.」による特注品。「スペースに合った天板が欲しい」とだけ注文したところ、送られてきたのがこのワーキングデスクだったとか。小物好きの山村さんのために、中央部分がショーケースのようになっているのが特長。

手作りキャンドル

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最近のお気に入りは、長野県在住のキャンドル作家・西牧隆行さんが制作する「lifart(リファート)」のキャンドル。

「いままでキャンドルの使い方がよく分からなかったんです……。知り合いのスタイリストさんが、昼間の掃除のときにもキャンドルをいっぱい使うと話していて、その使い方が衝撃的で、夜じゃなくても芳香剤として使っていいことを知ったんです。そこからキャンドルが好きになりましたね」

暮らしのアイデア

ディスプレイのコツ

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片づけ過ぎずに適度にモノを見せる山村さんの部屋は、スペースごとに同じ色味のものを置くという収納ルールがある。

「そこに必ず差し色を入れて、ちょっとだけ崩すのがポイントですね。というか、編集者という職業柄か、昔からそういう色の配色や組み合わせが好きなんですよね」

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部屋全体のテーマカラーは「緑」。テーブルまわりのイスとソファはファブリックだけ緑色に張り替えたもの。

これからの暮らし

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昨年から東京と長野の2拠点生活を始めましたが、お互いの生活を恋しく思い続ける自分がいるんですよね。東京にいたら長野の自然が恋しくなるし、長野にいるときは東京での生活がちょっと待ち遠しくなる。いろいろな場所にいることで、それぞれの場所が好きになれるタイプだったんでしょうね」

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「自分の感度を高めておく上でも、東京から少し離れるのは逆によかったですね。というのも、長野にいるときはテレビや雑誌で紹介しているモノってそう簡単には手に入らないし、人気ショップやレストランに行くこともできません。メディアってなんだかんだで東京の情報が多いので、長野だとそういうフラストレーションが溜まるんですよね。なので、仕事で東京にいるときは、できるだけいろんな場所に顔を出すようになりました。打ち合わせをあえて『ブルーボトルコーヒー』を指定したりね(笑)」


番外編:部屋をセンスアップする収納のポイント

調味料はビンを入れ替える

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市販の調味料やスパイスのパッケージは途端に生活感が出てしまうので、気に入ったパッケージやビンを常に取っておき、それに入れ替えて使っている。詰め替え用にコレクションしている容器は、どれも海外のスーパーなどで偶然見つけたもの。好きなデザインを聞いたところ、「昔はポップなグラフィックものを集めていたんですが、最近はもう少し大人っぽいデザインを好むようになりましたね」とのこと。


帽子の収納

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たくさん持っている帽子は、エコバッグに入れて収納。Foyles Bookstoreのトートバッグがかわいい。

Photographed by Megumi Uchiyama



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