目黒駅から三田線で10分の芝公園駅。そこから徒歩10分ほどのオフィス街。13階建てマンションの10階に、瓜田さんの部屋がある。元々分譲のマンションで、ラグジュアリーなエントランスとはうって変わって、玄関前の共有部はモダンな雰囲気。遊び心があるデザイナーズ住宅でスッキリと暮らす瓜田さんの部屋には、いつも突然の来客者が訪れるらしい……?
職業:人事システムアプリケーション会社の営業
場所:東京都港区・芝
面積:ワンルーム 40平米程度
家賃:145,000円
築年数:8年程度
この部屋に決めた理由
扉で隠れる洗濯機置き場
「内覧に来たとき、洗濯機置き場がない、外かな?と思ったんです。そしたら、キッチン奥の扉の中に隠れていました。完全に隠れるので生活感が出ないし、来客時にもいいですよね」
適度な広さと、ムダな廊下がない間取り
ここに引っ越す前は目黒に住んでいた瓜田さん。時間がない中で決めた家は、20平米程度と少し手狭だったという。
「以前の家より広い家がいいなと思って探していました。使わないスペースが出ることが嫌だったんですが、今の家は廊下もないし、ムダなく使えますね。それに、窓が3面にあるので明るいんです」
会社の後輩が下階に住んでいること
会社の近隣で部屋を探していたが、なかなか不動産サイトでは出てこなかった。そんなとき、会社の後輩が「自分が住んでいるマンションに空室がある」ことを教えてくれたそう。出社前に家に訪ねてきたり、休日もよく遊びに来るという距離の近さだ。
「ホームパーティにもよく来るし、チャイムもなしで突然ガチャっと入ってきたりしますよ(笑)」
ピンポーン
話していたら、本当に遊びにいらっしゃった! 団地に住む小学生のような仲よしさ……。
お気に入りの場所
広いキッチン
「かなり広くて、ここが入居の決め手になりましたね。料理するのが好きなので、よく友人を招いてホームパーティをするんです。友人達からは『うりた食堂』と呼ばれていて、インスタグラムのハッシュタグもあります(笑)」
スペースに余裕がある対面キッチン。ワンルームのマンションにしては珍しいほど、空間をゆったりと贅沢に使っていて、料理がしやすそう。得意料理はキッシュやパスタ、リゾットなど、みんなで食べられるものが中心。
明るい色合いの、IKEAのソファ
やわらかいブルーのソファは、IKEAで購入したもの。木の家具が多い中で、部屋の差し色になっている。
「シンプルな家具が好きですが、このソファがあるだけで部屋が格段に明るくなります。気分が上を向くアイテムがあるっていいですよね」
残念なところ
ダブルベッドが置けないこと
この部屋は、どこに何を置くかがほぼ決まってしまう間取りだという。
「ソファ、ダイニングテーブル、ベッド、どれも今の位置にしか置けないんですよね……。ベッドは、セミダブルがピッタリサイズで、ダブルは置けないです」
光が入りづらいベランダ
北向きのベランダは日光が入りづらく、洗濯物が乾きづらいそう。また近隣が国道15号やオフィスで建て込んでいるため、ベランダに出ると人と目が合ってしまったり、窓から埃が入りやすいところも難点だという。
お気に入りのアイテム
IKEAの照明
照明は、いずれもIKEAで購入したシンプルなもの。色味を入れすぎないのが、スッキリ暮らすポイント。
絶対捨てないと決めているギター
「実は一度は売りに行ったんですが……500円だと言われて腹が立って、なら絶対捨てない! と思いました(笑)」
これだけは捨てないと決めているギターは、大学生時代にローンを組んで購入し、愛用していたもの。
自分で描いた絵
「会社の研修で、1人ずつ描いた絵です。wishをテーマに、みんなが何を思い浮かべて描いたかを、後で議論するんです」
暮らしのアイデア
植物を置いて、部屋を明るくする
部屋には、必ず緑を置くことにしているという。
「昔部屋に植物を置いた時に、部屋の雰囲気がまったく変わるなと気がつきました。そこから欠かさないようにしています。部屋の眺望があまりよくないので、部屋の快適度を上げるために、こういうところには気を使いますね」
ワイン箱をテレビ台に
普通のテレビ台はデザインが気に入らず、部屋に置くのが嫌だったという。
「ちょうどいいサイズだったので、実家からもらってきたんです。木の風合いが気に入っています」
これからの暮らし
瓜田さんは、東京は広すぎて、やすらぎづらいという。
「まず短期的に言えば、以前住んでいて好きだった、目黒のほうに戻りたいですかね。ゆくゆくは、地方へ移住したいと考えています。僕は今まで日本のいろいろな地域で暮らしましたが、地方のほうが肌が合っていると思うし、お金も安く済みます。せかせかせず、のんびり暮らしたいんです。東京にいるから『忙しくなってしまう』んだと思いますね。それもあって今は、2度と住むことがないだろうなという、東京のど真ん中で暮らしてみています」
番外編:自分らしく、ミニマルに暮らす方法
ものを捨てるルールをつくる
「1年間動いていないものは捨てる、これがマイルールです」
瓜田さんの部屋は、かなりスッキリしていて、ものが少ない。作り付けの収納棚もあり余っている。あまり必要がないので、普段はティッシュさえも置かないという(この日はホームパーティに備えて用意してあった)。
無印良品の製品を置かない
「無印良品のアイテムは『いかにも無印良品』ぽくなりすぎるんですよね。ついついそれで全部揃えてしまって、既視感がある部屋になってしまいます。IKEAのアイテムが多いですね」
番外編2:「デートをどこでするか」問題
東京はデートをする場所がない
「僕は横浜出身で、家族が転勤族だったのでいろいろな地域やアメリカで暮らしたことがあります。どの国でも、駅前は緑があったり、大きな公園があったり、歩いていて楽しい道があって……。横浜だったら、海を眺めたり、歴史的な建物がある通りを散歩したりできます。そう思うと、東京は『デート=ごはんを食べる、もしくは映画』くらいしか、することがないですよね。みんな、のんびりしたいデートはどこに行ってるんだろうと疑問で、教えて欲しいですね……」
そう思うと確かに、東京でデートをする場合、みんなどこに行って何をしているのかな……?
Photographed by KUMAGAI ATSUSHI