新宿区の最寄り駅から徒歩5分ほど。大通りを奥に入った静かな場所にあるのは、伊藤和人さんとシラキハラメグミさんのイラストレーションユニット「seesaw.」のオフィス兼ご自宅。築30年以上の中古マンションを大胆にリノベーションした部屋には、インテリアの参考にしたくなるナイスアイデアがたくさん詰まっていました。
「引っ越し好きでも、飽きがこない家づくり」リノベストーリー vol.4 (新宿区)」で紹介した素敵な空間を作るのは、どんな工夫があるのでしょうか?
職業:イラストレーター、デザイナー
場所:東京都新宿区
面積:74.6平米
家賃:非公開
築年数:築31年 マンション
この部屋に決めた理由
ワンフロア1世帯の物件の最上階。東側に設置された「斜めになった窓」はこの部屋に入居を決めた理由のひとつ。リノベ前は結露が悩みだったそうですが、二重窓にしてからは嘘のように快適になったとか。
「この部屋は、この地域に古くからある不動産屋さんで見つけたのですが、ホームページには間取り図しかなくて、写真が1枚も掲載されていなかったんです。あまり期待しないで内見に来たら、意外とよくてそのまま気に入ってしまいました。もし写真が載っていたら、すぐに借り手が見つかってしまっていたと思います」
ワークスペースのアイデア
向かい合わせに配置された夫婦のワークデスク。材木屋さんで購入した、風合いある集成材を天板に使い、脚は「toolbox」で制作してもらったもの。シンプルなデザインで、学校の机のような懐かしさがポイント。
ワークチェアはハーマン・ミラーの「アーロンチェア」。長年使用しているにも関わらず、ネットの張りもキャスターも良好。iMacとの相性もバッチリです。
伊藤さんが画材入れとして使用しているのは、MoMAのパーマネントコレクションとして収蔵されている「ボビーワゴン」。本体を回転させるだけで4面すべてが効率的に使え、デスク回りの狭いスペースを無駄なく使用できます。
キッチンのアイデア
使い勝手の良さを考えてつくられたキッチン。「掃除が2人とも苦手なんですが、キッチンだけは毎日がんばってキレイにしています。リノベ前のキッチンがあまりに汚かったせいで、その頃には戻りたくないという気持ちがあるのかも(笑)」とシラキハラさん。
リノベ後に初めて導入した「食器洗浄機」は、いまでは生活に欠かせないキッチン家電のひとつ。
キッチンに設置された収納棚は、伊藤さんによる手作り。同系色でまとめることで、統一感のあるキッチン空間に仕上げています。
お風呂のアイデア
タイル貼りで仕上げたバスルームは、左側に小上がりスペースがあるちょっと変わったつくり。ユニットバスでないため冬は少し寒いそうですが、その分広く開放的な空間です。ホテルのようなレインシャワーは伊藤さんのこだわりで導入。
収納のアイデア
リビングと寝室を区切る壁には、大きな造り付けの本棚を設置。仕事で使う資料や、ヨーロッパ旅行で買ってきた絵本、小物などがかわいく収納されています。
リノベーションしたとはいえ、新しく買った家具はほとんどなく、長年愛用しているアンティークが多いんだとか。左側の収納棚は、子どもが触っても危なくないように、もともと付いていたガラス扉を取り外して使用しています。
天井のアイデア
リノベーションで天井高を30cmほど上げたリビングには、照明とサーキュレーション機能を兼ねたシーリングファン。伊藤さんがネットで見つけたもの。
天井はアーチ状にデザインされています。手前の2連のペンダントは「オルネ・ド・フォイユ」で、奥の3連は「イデー」で購入。モビールはデンマーク・モビールの「魚の群れ」。白い空間のなかで、黒のペンダントとモビールがいいアクセントになっています。
子どもスペースのアイデア
リビングの一部に設けられた子ども用スペース。タチカワブラインドで購入したロールスクリーンを使って簡易的に仕切れ、ゲストルームとして使うこともできます。
家の形をした本棚は、ネットで購入した「絵本のおうち」。子ども用キッチンコンロは「MICKI」のもの。木でできたおもちゃが多く、プラスチックのおもちゃはあまり持っていないんだとか。
DIYのアイデア
アンティークで買った小さなスツールを「ミナ・ペルホネン」の布に張り替えたもの。椅子の張替え業者に頼めば、意外と手ごろな値段で張り替えてくれるそうですよ。
リノベーションのアイデア
今回ご紹介した部屋は、ルーミーの連載企画「リノベストーリー」でも特集しています。

Photograghed by Daisuke Ishizaka