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中古物件を自分にとって最適な空間に生まれ変わらせることができるリノベーション。しかし、費用はどれくらいかかるのか、物件はどう探すべき、業者にはどう相談すべきかかなど、いくつかのハードルが存在します。「RENOVATION STORY」では実際にリノベーションを行った物件を訪れ、オーナーに踏み切った経緯や部屋づくりのコンセプト、苦労した点などを徹底リサーチ。一括りに語られがちな「リノベ」の持つ多様性と、リユースカルチャーを紐解きます。

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連載「RENOVATION STORY」は、リノベーションをした家を訪れ、家が完成するまでの経緯や苦労した点、今後の生活についてをうかがいます。今回は第3回目です。


家をつくるって、並大抵のことじゃない。

たくさんのお金が必要だし、
考えることだって山のようにある。

場所はどこがいいか、どれくらいの広さが必要か、
どんな家具を置き、どのようなテイストにするか。

もし、どんな理想でも叶えられるとしたら、
あなたはどんな家に住んでみたいですか?

第3回ハウスツアーのゲストは、社宅として使われていた部屋をフルリノベーションした松井直之さん。6年前に夫婦ふたりで住み始め、現在は2児のパパとして大忙しの毎日。

そんな人生の変化を共にしてきたこの家には、松井さんのどんな想いが詰まっているのでしょうか。


この物件を購入した経緯は?

ぼくと妻の実家がこの近所なんです。どちらも三鷹市の出身で、妻とは19歳のころから付き合っているので、今年でもう21年目ですね。

それまでずっと賃貸ぐらしだったんですが、結婚を機になんとなく分譲の家を探していると、この部屋がかなり安く売りに出されていたんです。

団地リノベ1

もともとは、いわゆる団地っぽい3LDKだったんですが、入居前にいまの間取りに変更しました。

賃貸のときから部屋をいじるのが好きだったので、ここはいろいろとDIYするつもりで購入しました。だから、築年数の古さはあまり気にならなかったですね。

団地リノベ2

松井邸の間取り図

住みはじめは、外観とのギャップをねらって、ホテルのようなシックな空間にしていました。色はモノトーンにして、モダンな家具をそろえて……。でも、1人目の子どもが生まれたあたりから、モノが少しずつ増えてきて、いまでは完全に方向転換です(笑)。

団地リノベ2

この収納家具はそのころDIYしたもので、デザイナーのピート・ヘイン・イークの家具を見よう見まねでつくったものです。

けっこう存在感があるデザインなので、これをつくったあとから、インテリアのテイストが少し変わりはじめたんです。それからは壁を塗ったりして、もっと自由に家を楽しむようになりましたね。

ぶっちゃけ、団地リノベってどうなんですか?

団地(社宅)リノベのいちばんの魅力って、好立地で部屋が広いわりに、ものすごく格安で手に入ること。家を買う気がなかったぼくでさえ、ここを内覧した翌日には、もう契約の話をしていましたからね。

団地リノベ3

外観とのギャップがすごい

ただ、古い建物なので覚悟しないといけない点もあります。例えば、各家庭の電圧は棟によって決められているので、勝手にアンペア数を上げることができないんです。

ここは少し電圧が弱めなので、夏になればブレーカーが落ちることもよくあります。考え方を変えれば、エコを意識した建物なんです(笑)。

団地リノベ4

あと、音の問題もありますね。歩くときの足音などは、新築よりも下に響くことがあるようです。団地には年配の方も多いので、ご近所へのあいさつ回りやコミュニケーションは必須だと思います。

でも、団地のまわりって公園も多いし、子どもを育てやすいところが多いんです。ここの建物は、各部屋専用の「物置」も、屋外にあります。独立型で2畳ぐらいのスペースがあるので、趣味である大量のキャンプ用品、子どもの三輪車や自転車、季節のアイテムなど、なんでもストックできてかなり便利ですよ。

賃貸ぐらしにはない、持ち家のメリットは?

いちばんのメリットは、部屋の中を好きにカスタムできることですね。壁に穴をあけたって文句は言われないですから。壁の色だって、飽きたら塗り直せばいいので、頻繁に塗りかえて楽しんでいます。

団地リノベ5

松井家には「ケンカをしたら、部屋の模様替えをする」という暗黙のルールがあるんです。妻とは付き合いが長い分、ケンカの原因はマンネリ感だったりすることが多いんです。

団地リノベ6

だから、お互いによくないなと感じ始めたら、いっしょに部屋の模様替えをします。テレビの位置が少し変わるだけでも、家の中が新鮮になる。その感じが、お互いすごく好きなんですよね。

黙々と家具を入れかえて、部屋の掃除までがんばれば、やり終えたときの達成感もある。部屋もキレイになってるし、お互いに「おつかれさま」みたいな気持ちになる。夫婦円満の秘訣ですね(笑)。

団地リノベ7

そういえば、子どもがまだ小さいときは、月齢にあわせて部屋を模様替えしてましたね。

歩き始めた頃は、伝え歩きがしやすいような家具の配置にして、もう少し大きくなれば、遊びスペースを広くとれる配置にしてみたり。いまは、このレイアウトがいちばん落ち着きますね。

今後は、どこを変えていきたいですか?

まずは子ども部屋ですね。いま少しずつ始めているところで、上の子が5歳になるので、そろそろ子ども専用の机をつくりたいと思っています。

団地リノベ8
団地リノベ9

いまはまだいっしょに寝ていますが、将来的には2段ベッドにして、兄妹でこの部屋を好きにカスタムしてほしいですね。

団地リノベ10

もっと大きくなっていけば、リビングと子ども部屋の間のクローゼットを壊すかもしれないですね。ここがなくなればさらに使い勝手はよくなるし、DIYや模様替えがまた楽しくなりそうですからね。

いまのところは子どもの成長にあわせて、どんどんつくりかえていくつもりです。

松井さんが住んでみたい「理想の家」とは?

都内に住むとなるとちょっと難しいですが、やっぱり庭付きの戸建てには憧れますね。特に「BESS」のような木造のログハウスとか、他とは違ったああいう家はいいなと思います。

庭があると、家の中とは違うDIYが楽しめそうだし、いつかはガーデニングをしてみたいという気持ちもあります。

それに集合住宅だと、壁面は石膏ボードが多いのですが、ログハウスだと壁にネジやクギを直接打ち込めるところもいいですよね。

団地リノベ11

ただし、そういった注文住宅の場合でも、できるかぎり造り付けの家具は置きたくない。やっぱり模様替えが好きなので、家具などは移動させられないとダメです(笑)。

いつでもレイアウトを自由に変えられる。それがぼくたちにとっては、いちばんいい家ですね。

団地リノベ12

編集部ノート

収納家具をつくるのが好きという松井さんですが、棚のディスプレイは奥様が担当しているとか。これだけオープンシェルフが多いにも関わらず、家の中がスッキリして見えるのは、奥様の収納センスが大きく貢献していたわけですね。なんてナイスカップル!

ひとつのレイアウトに縛られないで、自由な発想で家を楽しむ。松井さんのように、あれこれ試行錯誤しながら、家を少しずつ変化させるのも、家づくりの醍醐味かもしれませんね。

Photograghed by Daisuke Ishizaka


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