都心と郊外のほどよいエリアにそびえ建つタワーマンションに住み始めた、ある夫婦の何気ない物語。
マイホームを購入したことで、ふたりの新たな物語が始まった。
DINKSは、なぜこの暮らしを選んだのか
「変化を拒む人もいるけれど、変化は楽しまなくちゃ! 人生、楽しんだ者勝ちよね」
キョウコらしいそういう言葉は、テッペイにとっていつだって心強い。
「家を買おう!」と決めたとき、キョウコが突然「憧れだけで言うわけじゃないけど、高層マンションに住むという選択を、私たちのライフプランに入れてもいいんじゃない?」と言い出した。その後に続いたのが、先の言葉だ。
テッペイとキョウコが選んだこの街は、テッペイが勤めるデザイン事務所の表参道まで電車でわずか15分。オンとオフの切り替えができるだけでなく、心地よい程度の賑やかな街の雰囲気と、近くには多摩川をはじめとした自然も楽しめるという好立地で、ジョギングを日課にしているテッペイにとっては、うってつけの物件だった。
一方、妻のキョウコにとっては、想定外のエリアだった。本当は、職場の店舗がある銀座に近いベイエリアを希望していたが、友人宅に招かれたり、テッペイに促されてショッピングに来るうちに、どこか懐かしい温もりと日々変わる街の刺激を合わせ持つ街そのものの魅力に、いつの間にかグッと心を掴まれていった。
「眺望はもちろんだけど、何よりも喧騒から確実に離れることができるわ。プライベートで家にいるときはのんびりと静かに暮らす、それが私たちらしいと思うんだけど、どう?」
加えてこんなことを言うキョウコの提案に、テッペイは「なるほど!」と納得した。
今年36歳になるテッペイは、キョウコと暮らし始めて10年、結婚して6年目になる。自分たちらしさを失わずに、新しい暮らしが実現できる住まいとして、この家を選んだのだ。実際住んでみて、予想していた以上の充実した日々を送っている。
キョウコの提案はこれまでも間違いなかったが、今回ほど予想以上の結果になったことはなかったんじゃないだろうか。きっと、キョウコはいわゆる「持っている」タイプなんだと、実感せざるを得ない。
ふたりで楽しめるかどうか。それがおしどり夫婦の秘訣かも
周りからはいつも「仲良しご夫婦ね」と、羨ましがられているが、当の本人たちは、どんな風に見られても構わないとさえ思っている。お互いに尊敬し合えていれば、それだけでいい。
なぜそう思われるのかはよく分からない。外から見たら仲良し夫婦かもしれないけど、実際ケンカだってする。脱ぎっぱなしにしている靴下がリビングに落ちていると、キョウコはげんなりして、帰ってきたテッペイが手も洗わないうちに文句を言ってくる。
テッペイにしてみたら、職業柄仕方ないにせよ、いつになっても減ることがないキョウコのワードローブに、「断捨離するって言ってたよね」と口の先まで出かかった言葉をのみ込むこともある。
でも、ここに引っ越してきてからは、お互いに直して欲しい「⁉︎」ということがあっても、相手への言い方が確実に変わった。
渋谷からわずか15分程度ではあるものの、この街ののんびりとした風土がそうさせているのか、新居の居心地が影響しているのか、はたまたその両方なのかは定かではないが、ともかくお互いを許容できる範囲が、またひとつ広がったのだ。小さなことかもしれないけど、許容範囲が広がることは、夫婦間では特に大事なこと。こういうことも、結婚していま、はじめて分かったことだから、おもしろい。
遊びが大切。プチサプライズで、相手に想いを
キョウコとは週末はだいたい一緒に過ごすが、平日は基本的に別行動。だから、普段のコミュニケーションはSNSを使ってやりとりしている。ほかの夫婦と比べたことはないけれど、連絡はきっと密な方だ。そのやりとりは、事務的なものから、他愛もないやりとりまでざっくばらん。まるで友達のような夫婦かもしれない。
お互いに向き合って、尊重した想いが、いろんな形でキョウコに愛情として伝わっているだろうな、という自負はあるし、逆にキョウコからも愛情を感じるので、間違いないだろう。たぶん。
必然か、偶然か。パン屋によって手繰り寄せられたふたり
愛情表現のひとつに、キョウコは特別な日ではないタイミングでのサプライズを楽しむ。彼女にとってサプライズされることが、ある意味で「愛の証」と言うと、ちょっとクサいだろうか。
「何もない日にサプライズをしてもらうと、その日が後で特別な日としての思い出になるの。それを積み重ねてくれたら、毎日が特別な日になるでしょう? 何年かかっても構わないんだけど、テッペイがつくってくれた何でもない日がいつか毎日特別な日になって、それをいつも思い出す。そんな幸せって、素敵だと思わない?」
当然テッペイはキョウコのサプライズ好きを知っているので、時々思い出しては、仕掛ける。そんなときに見える、キョウコの笑顔がとてつもなく素敵で、いまだに胸がキュンとするが、それは自分の中だけのヒミツだ。何気ない日常でのちょっとしたサプライズは、仕掛け人のテッペイにとっても楽しみのひとつなのだ。
そしてある朝、テッペイが出勤途中で見つけたいい感じのパン屋。「気取らないメニューだし、キョウコが好きそうだな。次回のサプライズは、ここにしよう」と決めたのだが……。(続きは動画で)
Hug my Life
[パークシティ武蔵小杉 ザ ガーデン]
Director:Kazuki Honma Movie:Fumihiro Sugino Movie Assistant:Akira Yaguchi Photograph:Daisuke Ishizaka Styling:Yuichi Udagawa Hair&Make:Kyoko Saito Model:Teppei Watanabe、Kyoko Ishii Illustration:Shoko Kaido Music:Yasuhiro Souda(SOL’S SOUNDS) Special Thanks:AWABEES、UTUWA、TITLES、Boulangerie Belle Matinee
[キッチンまわり]バッシュのエプロン各4,860円、コースター各324円、プレースマット各1,944円、テーブルクロス12,960円(問:バッシュ公式オンラインストア)、YAMAZENのポップアップトースター 2,980円(問:山善 TEL:03-5579-6261)、ビクトリノックスのブレッドナイフ(イエロー)4,860円、三徳包丁(グリーン)6,264円、スモールカトラリーブロック(ホワイト)5,400円(問:ビクトリノックス・ジャパン TEL:03-3796-0951)
[通勤]テッペイ/アッソブのブリーフバッグ30,240円(アンバイPR TEL:03-6434-0709)、G.H.BASSのコインローファー16,990円(問:セプティス TEL:03-5481-8651)、ブルーノの傘4,536円(問:イデアインターナショナル TEL:03-5446-9530)、ビクトリノックス・スイスアーミーの時計86,400円(問:ビクトリノックス・ジャパン TEL:03-3796-0951)、イー・エム・ノアールの指輪30,240円(問:e.m.表参道店 TEL:03-5785-0760)、キョウコ/イー・エムの指輪10,800円、右耳のピアス12,960円、左耳のイヤリング9,720円、パールネックレス15,120円(すべてイー・エム 問:e.m.表参道店 TEL:03-5785-0760)、ブルーノの傘4,536円(問:イデアインターナショナル TEL:03-5446-9530)
[エレベーター:テッペイ]バーナーのモッズコート30,240円(問:BURNER ルミネエスト新宿店 TEL:03-6457-8064)、ネイティブユニオンのウッドiPhone6ケース5,400円(問:アンバイPR TEL:03-6434-0709)
[ロビー:キョウコ] ファーリーレート エスカーのカーディガン 参考商品、スカート 参考商品(ともにファーリーレート エスカー 問:パボック TEL:03-6434-0744)、イー・エムのパールピアス4,104円、ジルコニアネックレス17,280円(ともにイー・エム 問:e.m.表参道店 TEL:03-5785-0760)、ネイティブユニオンの大理石iPhone6ケース10,584円(問:アンバイPR TEL:03-6434-0709)
[ランチ:キョウコ]イー・エムのフラワーピアス6,480円、イー・エム・ノアールの安全ピンモチーフネックレス/56,160円(ともにイー・エム 問:e.m.表参道店 TEL:03-5785-0760)
[帰り道]テッペイ/アッソブのバッグパック23,760円(アンバイPR TEL:03-6434-0709)、キョウコ/ファーリーレート エスカーのデニムジャケット 参考商品、インナー 参考商品(ともにファーリーレート エスカー 問:パボック TEL:03-6434-0744)