連載「RENOVATION STORY」は、リノベーションをした家を訪れ、家が完成するまでの経緯や苦労した点、今後の生活についてをうかがいます。今回は第1回目です。


目黒区に建つ築52年のマンション。ここにお住まいなのは、フリーの編集者、徳島久輝さん。そしてマンチカンの猫、マルちゃん(おとこのこ)。

もともと2LDKだったこの部屋。まずワンルームの状態にした後、リビング・ダイニング・キッチンのオープンな空間と、ベッドルーム・水回りをガラス壁で仕切った空間に分けています。閉塞感がなく、全体が見渡せる部屋には、明るさと清潔感があります。

まずは、リノベに踏み切った理由から、徳島さんにお話をうかがいました。


コンセプトは「ホテル暮らし」

家を買うならリノベをしてみたいと前々から思っていたんです。既製品によくあるものでなく、幅広で風合いがあるフローリングの床にしたかったし、収納棚を買わずにオープンシェルフをつくり付けたかったことも理由ですね。なにより、活かすもの、変えるものなども含め、いちから家を考えられることにわくわくしました。

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古いマンションならではの、上部の開閉する窓ガラスがいい感じ

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もともとインテリア関係のお仕事をされていた徳島久輝さん

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徳島さんちの間取り図

独立前、会社勤めをしているうちの方がローンが組みやすいと思い立ち、仕事でつながりがあった建築事務所Blue Studioに相談に行ったんです。そこから中古マンションを探し始め、大量生産前の丁寧に作られているマンションであることや、古い窓枠など、ビビビ! とくる家を見つけました。

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ガラス壁で仕切られたベッドルーム。ん? 天井に丸い穴が……

玄関横にあるのが、ベッドルームと水回りです。

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寝室のベッド周りの照明スイッチが、すごくホテルぽい

僕は、もともとホテルが大好きで、いろいろなところに泊まりに行ってたんです。それで、家をつくるなら「ホテル暮らし」のアイデアを取り入れたいと思っていました。

寝室がガラス張りなのは、明るい家にするため、玄関側の窓からも光を取り入れたかったからです。寝室に普通の壁を立てると、寝室もリビングも暗くなってしまうので。でも、僕寒がりなので、あんまりツーツーなのも……。というわけで、建築家さんのアイデアで、オープンになりすぎず、光も入るガラスの壁にしてもらったんです。

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天井の穴は、建築家さんのこだわりなんですけど、もともと寝室とリビングの間にある梁(はり)がかなり大きくて、むき出しにすると梁の出っ張りが目立ちすぎてしまうんです。そこで、この梁の高さに合わせて、あえて寝室の天井を少し低くしました。そうすると横になった時に閉塞感が出てしまうので、目線に奥行きが出るよう、頭の上に丸い穴を開けたんです。目線が抜ける感じで、いいですよ。

ベッドルームの隣には、洗面台とトイレ、バスルームがあります。

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バスルームにも、既存の窓が

バスルームもガラス張りで、ベッドルームと繋がりがあるようになってます。新しく収納を買わなくて済むよう、壁をくりぬいた収納がこだわりです。

トイレは、設計中、家を白くシンプルにまとめたため、終盤には「色で遊びたい」気持ちになって……。そこでトイレだけ、いちばん好きなピンク色にして、遊んでしまいました。遊びに来た友人のお子さんが、びっくりしてトイレに入れなかったこともありましたね(笑)。

発想の転換で、人を呼びたい家に

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今度は、リビング、ダイニングをご案内しますね。

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いろいろな器が並ぶオープンシェルフ

僕はもともと、まったく料理をしなかったんです。なので、家に人を呼ぶことを悩んでいました。

でも、発想を転換して、“うちに来たら料理を一緒にしてもらう”ことにしたんです。場を提供して、料理はお客さんも一緒にやってもらう。それなら、失敗が怖くないし、料理に楽しく取り組めます。しかも、料理をしてもらうことで時間が早く経つから、「気づいたらこんな時間になってた! 居心地がよかったんだな」と思ってもらえる効果まであります(笑)。

そんなとき、器が選びやすいオープンシェルフなので、みんながそれぞれに、好みの器をチョイスしてくれるんです。

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好きな器を選んでいただいた

食器は、海外旅行に行く友人や同僚に買ってきてとお願いしたりしていましたが、“徳島さんのお土産には器”と、率先して買ってきてくれるようになりました。

ここに暮らすようになってから、キッチンが家全体を見渡せる場所にあるからか、料理自体も楽しくなりましたね。今では、周りの人におすすめの調理アイテムを聞いて、揃えたりしています。

リノベは、誰とやるかが重要

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つくり付けしてもらった棚は、本や小物を飾るのにぴったり

実際やってみて、リノベは誰とやるかが重要だと思いました。建築家には、自分の生活について詳細に伝え、かなり密にコミュニケーションを取ることになるので、一緒につくるのを楽しめる人を選ぶのが大事ですね。

また、自分にとって建築家はひとりだけど、建築家にとって、自分はお客さんのうちのひとり。自分の方が「自分の家に割ける時間」を持っているので、理想のイメージを集め、自分のイメージをうまく伝えられるようにするなど、事前準備をきちんとやっておくといいですよ。

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建設当時のままの窓が一目で気に入ったそう。古い風合いの鍵がすてきすぎる

今後の住まいについては、買ったからって一生ここに住まなきゃとは思ってないんです。またいつか、どこかをリノベをしたいなーとも思っています。今度は、そうですね、料理をするようになったから、キッチン中心の家にしてみたいですね。

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この家に住んでから飼い始めたマルちゃん。それはそれはかわいい子だった

編集部ノート

家づくりは、ついついプロである建築家まかせに考えてしまいそうですが、そこに暮らす自分のためにも、イメージをきちんと共有する準備など、できるだけのことをやっておくことが重要だという徳島さんの言葉に、目からウロコでした。

また、いたるところにつくり付けの棚があり、あえて「見せる収納」をすることで、お客さんとのコミュニケーションの幅が広がったアイデアにも、とても関心させられました。

理想の家をつくること、そのために想像をふくらませ、準備をすることって、本当に夢が詰まった楽しいものですね。

徳島邸の住空間づくりのポイントやアイデアはこちらをご覧ください!

Photograghed by Daisuke Ishizaka


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