ものを大切に扱う人が多いヨーロッパ。特にドイツ人は、環境への意識も高く家具を大切に使い、アンティーク家具を愛用する人も多くいます。
私がドイツに住むことになって、出会った部屋はまさにアンティーク家具の宝庫でした。
お世話になっている部屋のオーナーは、旧東ドイツ時代から、今の部屋に住んでいました。1990年にベルリンの壁崩壊後、旧東ドイツ製の家具を手放す人が多かった中、オーナーはこの時代の家具を大切にしていました。
そのおかげで、ベルリンの壁崩壊前の旧東ドイツでつくられた味のあるアンティークがたくさん残っています。
時代を経て、大切に保存されてきたアンティーク家具たち。そのおかげで、懐かしさやあたたかさを感じる部屋になっています。
3DKの部屋の中心は、広々としたダイニングルーム。中心には、大きな木製のテーブルが置かれています。壁には、写真家であるオーナーの写真が飾られています。
ダイニングルームには、手づくりの棚が立てつけられています。この棚には、アンティークのカップとグラスがたくさん並んでいます。さり気なく添えられたドライフラワーが良いアクセントに。よく見みてみると、フレスコまで置いてある!絶妙な雑多さが、おしゃれです。
次に、私の部屋をご紹介しましょう。
部屋の扉を開けると、木組みの棚が現れます。枠組みだけなので、部屋の中心にあっても威圧感がなく、窮屈さを感じさせません。むしろ、広々とした部屋の一室の中で、棚が良いアクセントになっています。
机と椅子も、経年変化した独特の色合いが美しいアンティーク家具です。窓から日が差すと、太陽光を吸収してより柔らかい色合いになり、1日の中で家具の違った表情を見るのが楽しいのです。
こちらは、旧東ドイツ時代の棚です。折りたたみ式になっており、手前の机が引き出せます。書類を整理するための小さな引き出しが特徴です。
アンティーク家具に囲まれていると、なぜかあたたかい気持ちになります。きっと、長年大切に使われてきた愛情が込められているからなのだと思います。みなさんも日常に、アンティーク家具を取り入れてみてはいかがでしょう?