スケートボード型の箸置きや、まるで70〜80年代NYの街並みをミニチュア化したような湯のみ。

国内外のメディアやライフスタイルショップでも話題となったこれらのアイテムを手掛けるブランドが「Talky(トーキー)」です。


アパレル業界発、ヒップホップ感覚の新たな陶器

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アパレル業界に務める3人が部活感覚でスタートさせたという「TALKY」。

そのきっかけは、メンバーの1人が長崎県出身で、同級生の実家が長崎県で400年の歴史を持つ伝統の焼き物「波佐見焼き」を営んでおり、倉庫に大量の陶器が眠っていたことだったそう。

ヒップホップが大好きだという3人が一番最初に作ったのは、その倉庫からレコードを掘るように陶器を発掘し、自分たちの感覚で仕上げ直したリメイク品。もともとは絵付けされていたB品の器を、サンドブラストという加工により素焼きのような状態に戻し、そこにグラフィティーを施したのだといいます。

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「とりあえず陶器を持ってサンドブラスト屋さんにみんなで行って、削ってみたらテンションが上がったみたいな感じです」

とその初期騒動を話してくれたのが、TALKYのメンバーである河村さん。

「サンドブラストというのは、普通はガラスに対して使う加工で、陶器にやるものではないんですよ。みんなヒップホップが好きなので『サンドブラストでスクラッチしてみよう』ってやってみました」

まずはやってみる。やってみたらテンションが上がる。そんなシンプルでプリミティブなスタンスは、今もTALKYに息づくフィロソフィー。

「ビール飲みながら『次は何を作る?』みたいな感じです」

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そもそもブランドを代表するスケボー型の箸置きも、もともとはTALKYメンバーの結婚式の引き出物として作ったもの。

「作ってみたらおもしろいから商品化してみようと。その結果、ロングランの人気商品になりました」

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ただし、陶器メーカーとしては異色な商品が揃うこともあり、従来の販売ルートでは苦労をしたといいます。

「はじめは商品を作り、展示会に出してという“正統なレール”で行こうと思っていたのですが、ギフトショーや合同展のようなものに出品はしても結果には結びつかなかったんです。単純に場違いみたいな感じになって(苦笑)そこからは出していないですね」

その後は口コミやメディア掲載から知名度を伸ばしてきたTALKY。ただし売上はそこまで重視していないのだそう。

「本当は儲けたいと思ってるんですけど、それよりもどういう人とのつながりができるかを重視しています。僕らが作った陶器をプレゼントして、会いたい人に会う。“自分たちがつながりたい人たちとつながれるためのツール“でもあるんです。というか、それがいちばん大切ですね」



“日用品×デジタル”という新たな挑戦「PEOPLEAP」

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そしてTALKYの3人が、2.5Dの比留間を加え、4人体勢で新しく取り組んでいるプロジェクトが、新感覚マルチメディア・プロジェクト「PEOPLEAP(ピープリープ)」

音楽、グラフィックデザイン、映像、イラストをかけあわせ 「ギフト/日用品」の形でアウトプットするシリーズです。

その第1弾が7インチレコード型の陶器のお皿。真ん中に7インチレコードのアダプターをセットすれば、実際にレコードプレイヤーで回すことも可能という、リアルにレコードにこだわった作品です。

陶器の7インチレコード!@ppl_tyo #vinyl #dish #peopleap #乃木神社

Kenta Terunumaさん(@teke0824)が投稿した動画 –

この7インチレコードの最大の特徴は、ミュージシャン、イラストレーター、グラフィック、映像作家の4名によるプロジェクトチームを5組つくり、それぞれが1作品計5種類のお皿を制作。裏面のQRコードを読み込むことでそのチームが作ったデジタルコンテンツが楽しめるという点。

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「PEOPLEAP」を始めたのは、2015年夏。Apple Musicをはじめとした定額制ストリーミングサービスの開始した時期。

「今後コンテンツの流通がデジタルに移行すると、逆に作品を見つけづらくなったり、アーティストも記憶に残りづらくなり、忘れ去れられるようになるだろうと思いました」

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そこで時代に左右されず愛され、日常生活に欠かせない”日用品”と”デジタル・コンテンツ”を掛け合わせた作品を発表することで、アートとの新たな出会いや新しいコミュ二ケーションの形を提案していこうと考えたのだそう。

「Tシャツに楽曲のダウンロードコードが付いているものなどありますが、それはあくまでそのアーティストのファングッズ。それともまた違うかたちで届ける手段があるとしたら日用品だと話していたんです」

つまりPEOPLEAPの7インチ皿は、お皿をプレゼントでもらったり、フリーマーケットなどで買って使っていると、だんだんお皿の裏に書かれたクレジットやQRコードが気になるようになる。そしてGoogleで検索したり、QRコードを読み込むとネット上のデジタルコンテンツにたどり着く、という新しい作品との出会いを生む動線とも言えるのです。

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とにかく楽しいことをやって、会いたい人に会う。利益度外視で、つながりや飲み代にさえなればいいという、部活の延長である「TALKY」。

そして、世の中のデジタル化の流れのなか、日用品が果たせる役割を意識した社会的側面も強い「PEOPLEAP」。

メンバーそれぞれが本業を持ちながら、フリースタイルでフレキシブルにクリエイションに向かうというこのスタンスは、新しい時代の創作・活動・時間の使い方、ひとつのスタイルとなるかもしれません。

[TALKY]
[PEOPLEAP]
[machi-ya]

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