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限られた都会の敷地。自然を思いっきり感じたくても、お庭が小さくてなかなか叶いません。

愛知県名古屋市の、間口7m、奥行21mの小さな小さな敷地。普通なら、家をいっぱいいっぱいに建てたくなりますよね。

栗原健太郎さんと岩月美穂さんによる建築家ユニットstudio velocityがつくった家、「都市にひらいていく家」は、ちょっと違うんです。

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住宅街の真ん中に突然現れたガラス張りの建物。これ、個人のお宅なんです!

1階はピロティ、2階と3階はお客様を招待するパブリックなリビングスペース。この別棟の奥に、プライベート空間である寝室やキッチンがある母屋があります。

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別棟から母屋へは3本のスロープが伸びていて、間にまるで森のような中庭がひろがっています。

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高さの異なるスロープによって、中庭の風景をいろいろな角度から楽しめます。家の敷地内に森の小道があるように、存分に四季のうつろいが感じられるんです。

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都会の真ん中とは思えない、緑にあふれた森のような中庭。ハンモックやブランコなど、子どもが大好きな遊具も設置して、ちょっとした公園のようです。

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家の前の道路を歩く人が目にするのは、家の塀や壁ではなく、森のようなゆたかな緑。

土地めいっぱいに家を建てて、つくれるだけ部屋数をつくって……。そんなセオリーから離れて、もう一度「自分にとっての理想の家」を考えてみると、こんな家ができあがるのかもしれません。

パブリックとプライベートをきちんと分けて、緑に包まれて、子どもが安心して遊べる場所がある。こんなにすてきな家って、なかなかないなと思えてくるのです。

都市にひらいていく家[studio velocity

photographeg by Kentaro Kurihara

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