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住み心地のいい家探しは、人間やヤドカリ含め、生き物共通の大きな問題ですよね。
スケルトンの殻にすっぽりと身を収めるヤドカリ。よく見ると建物を背負って移動しています。

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日本人アーティストAKI INOMATAさんによる作品「Why Not Hand Over a “Shelter” to Hermit Crabs?」。

制作当初、球を丸くくりぬいただけの「やど」には見向きもしなかったヤドカリですが、そんな彼らに選んでもらえるような「やど」を考え出し、実際に彼らの気の向くままに引越しをしてもらうことに成功したのです。

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まずはCTスキャンで自然の貝殻の内部構造を計測して、データを3Dプリンターで出力することで、ヤドカリもピッタリ入れるような形の「やど」をつくりだしたのです。

居心地がいいのでしょう。ヤドカリたちもすっかり気に入っている様子。

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しかしAKI INOMATAさんは一体なぜ、ヤドカリの住みかに注目したのでしょうか?

ご存知のとおり、ヤドカリは常に新たな「やど」を求めて、どんどん住みかを変えていきますよね。それは、まるで服を着替えるような気軽さです。世界各地の都市を模した「やど」へ次々と引っ越しをするヤドカリを眺めながら、彼女はふと、あることに気付きます。

それは旧在日フランス大使館でのお話。旧在日フランス大使館の土地は、2009年まで「フランス」であり、以後50年間「日本」になり、その後また「フランス」になるという事実に、彼女は衝撃を受けます。この話と、ヤドカリの引っ越しをする習性とが完全にリンクしたのだそうです。

中身は変わらないのに、背負う「やど」によって、アイデンティティさえ変えるように見えるヤドカリと、同じ土地であるにも関わらず、国が入れ変わっている事実とがすっかり重なって見えてしまったのです。

また、ヤドカリ同士の「やど」の奪い合いは、移民や難民の問題などを思い起こさせると言います。ヤドカリの引越しは、もはや「人間社会の縮図」が浮きぼりになっているのかもしれません。

AKI INOMATA《Why Not Hand Over a “Shelter” to Hermit Crabs? -White Chapel-》 from Aki Inomata on Vimeo.



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また、彼女はカメの甲羅でも、その世界観を表現しています。

作品名「world outside your world」は、カメの甲羅に町のオブジェを乗せた作品。世界は丸くつながっているけれど、実際に私たちが接するのはあくまでほんの一部。不安定な世界に住む自分たちは、まるで大きな動物の上に乗っているような感覚を表現したのだそうです。

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人間以外の生き物を通じて見えてくる、人間の世界。異なる角度から自分自身の姿を見つめなすことで、新たな発見が生まれてきそうです。

(C)AKI INOMATA

AKI INOMATA

 

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