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時間を浪費するな、人生は時間の積み重ねなのだから
これは米国の100ドル札にも描かれているベンジャミン・フランクリンの名言。
この言葉に異議を唱える人は誰もいないでしょう。いうなれば、人生でもっとも大切なものは「時間」だと断言してもいいほど。「若さはお金で買えない」というのも、ある意味では同義語かもしれません。
でもね、ムダな時間をかけることって、人生においてそんなに悪いこと? なんて考えたりもするわけです。
それは「仕事」でも同じで、画家は描いて消してを繰り返しながら絵を描き進め、デザイナーは最高の1案のために100のボツ案を考える。しかも、時間をかけたからって絵が完成したり、最高のアイデアが出るとも限らない。そうなると、まさに「ムダな時間」を過ごしたことになってしまいます。
でも、それがないと何も生まれないのも事実。
そんなことを考えているとき、ルーミー編集部にこんなものが届きました。
カリフォルニア発の、水出しコーヒーをつくる専用ドリッパー「ブルーアー」。
水出しコーヒーには、2種類のつくり方があります。ひとつは、コーヒー豆を水に浸して抽出する冷浸方法。もうひとつは、コーヒーの粉に少しずつ水滴を垂らし、長時間かけて抽出するダッチ式。このプロダクトは、後者のダッチ式で水出しコーヒーをつくります。
たっぷりの氷を入れたグラスに、熱々のコーヒーをかける。それだけでもおいしいアイスコーヒーはつくれます。 しかし、「ブルーアー」がコーヒー抽出にかける時間は、なんと4時間以上! 人生で最も大切な「時間」をたっぷりかけてつくるというわけです。
これでおいしくなかったら、誰がこれを使うというのか……。でも逆を言えば、めちゃめちゃおいしい可能性も?
そんな期待を胸に、このドリッパーを使って水出しコーヒーをつくってみました。
「ブルーアー」の使い方
道具は全部でこんな感じ。ブランドカラーはブルーのようです。
豆のひき具合はペーパードリップと同じでOK。1回に使用するコーヒー粉は60g。ちなみに、使っているコーヒー豆はルーミー編集長おすすめの「AURORA COFFEE」です。
粉の上にペーパーフィルターを乗せます。理由は均等に水分をしみ込ませるため。初めに少量の水でフィルターを湿らせるのがポイントです。
あとは、バルブパーツをセットして、上から氷水(約700cc)を注ぎます。水滴のスピードはバルブのつまみで調整することができます。
準備はこれで完了。あとは待つだけ。
気になる味は?
4時間後。注いだ水が完全になくなっていれば完成です。
では、さっそく飲んでみましょう。まずはストレートでひと口。その感想は……
透明感があって、すごくクリアな味。
これが、正直な第一印象。
うん、確かにおいしい気がする。
いつも飲むアイスコーヒーよりもすごくスッキリした飲み口で、澄んだ味わい。苦みは控えめで、お風呂あがりでもゴクゴク飲めそうな印象。
普通に淹れたコーヒーとは何が違うのか、AGFの公式サイトではこのような説明がありました。
普通の抽出との違いはコーヒーに熱を加えないということ。加熱しないことによって、コーヒー本来の香りやコクだけを抽出し、雑味や苦みを抑える効果があると言われています。(参考:AGF公式サイト)
ちなみに時間をかけて抽出した水出しコーヒーは、酸化も抑えられるため、冷蔵庫に入れておけば1週間は保存が可能だそうです。へぇ、すごいじゃん。
今回は抽出に4時間をかけましたが、もっと時間をかければそれだけ濃いコーヒーが抽出できます。その調節はつまみをひねるだけとシンプルなので、抽出時間、豆の種類、焙煎度、水の種類など、組み合わせを工夫することで自分好みの「オリジナル水出しコーヒー」をつくることもできそう。
これ、凝り性の人はけっこうハマっちゃうかも……。
時間をかけたコーヒーは何が違った?
実際につくる前は「コーヒーに4時間とか、ちょっと勘弁」なんて思っていましたが、このドリッパーなら抽出時間はあまり気にしなくてよさそうです。
というのも、夜寝る前にセットすれば、朝起きてすぐに上品な水出しコーヒーが飲める。オフィスで出社と同時にデスク横にセットすれば、夕方のブレイクタイムに甘いおやつと一緒に飲める。
そんな感じでコーヒー粉のセットさえ完了すれば、あとは何もすることはありません。考えることは、コーヒーが飲みたい時間から逆算して、いつセットするかを決めることぐらいです。
時間をかけた抽出したコーヒーは、雑味がなくて確かにおいしいです。でも、それ以上に、仕事をしながらコーヒーがゆっくりポタポタ落ちるのを横目で見ていると、「あぁ、あとであの旨いコーヒーが飲めるのか」というご褒美感がよかったりします。例えるなら、週末のデートを楽しみに1週間仕事をがんばる、そんな感覚にちょっと似てるかも。
時間を浪費するちょっと不便なものも、使い方によっては人生を豊かにすることもある。
そういう考えも、たまにはいいと思いません?
Bruer(ブルーアー)[Krongthip Inc.]