日本を代表する商店街、戸越銀座商店街。その一角に、世界中の「塩」を楽しめる話題の店があるのをご存知ですか?
店の名前は「solco(ソルコ)」。約40種類ほどの塩を、店内で試食しながら選ぶことができる「塩の専門店」です。
スタイリッシュな店内に並ぶのは、オリジナルボトルで販売される塩の数々。知らずに入ったら、化粧品か香水のお店と見間違えてしまいそうなインテリアです。
「でも、塩ってどうやって選んだらいいの…?」
そんな人のために、この店ならではの「塩の選び方」を3つご紹介します。
1.「おむすび」にあう塩を選ぶ
この店では、ずらりと並んだボトルから、好きなものをスプーンですくって試食することができます。そのまま味わってもいいのですが、塩のポテンシャルを最大限に引き出すなら、「おむすび」といっしょに試してみるのがおすすめです。
「solco」には、塩を試食するための「おむすび」や「コロッケ」などの食事メニューも用意されています。おむすびに使用されているお米は、無農薬で栽培された滋賀県の近江米。塩だけで味わうよりも、お米の甘味が塩をより引き立たせてくれます。
まずはシンプルに「塩(えん)むすび」にあう塩を探す。もちろん塩選びに正解なんてありません。自分の味覚だけを頼りに、お気に入りの塩を探してみてください。
2.「ストーリー」から塩を選ぶ
それぞれの塩には、オーナーの田中園子さんが書き記した「説明カード」が用意されています。例えば、お店で人気の塩「003 満月の塩 福塩」のカードには、こんな文章が記されています。
宮古島で、ひと月に一回しかない、満月の日に満潮になった海水を汲み上げて作られています。80歳に近いご夫婦が二人三脚で作られたこの塩は、とても細かいパウダーのような塩で、満月に吸い寄せられたナトリウム以外のミネラルが沢山含まれています。(以下、省略)
なんと「満月の日」限定の塩! このストーリーだけでも欲しくなってきます。
カードには、生産される土地のこと、つくり手の想い、さらにどんな料理にマッチするかなど、塩の特徴がいろいろ書かれています。それぞれのカードを読み進めながら、気になる塩をピックアップしてみてください。
味だけでなく、塩が持つ「ストーリー」を知る。焦らず、じっくりと時間をかけて選んでみてはいかがでしょう。
3.スタッフに相談する
取材に応じてくれた田中さんは、「ソルトコーディネーター」の資格を持つ塩のエキスパート。「味覚や好みは人によって違うので、一般的におすすめというものはありません」と話すように、塩選びを相談するときは、どんな塩が欲しいのか具体的に伝えるのがポイントです。
例えば、「日本酒に合う塩」を尋ねてみたところ、
「010 笹川流れの塩」は、海水を炊いた後にあくを漉しているのが特徴なんです。えぐみのないクリアな塩になるので、キリッと冷やした日本酒に合うと思います。
さらに、「お肉をおいしくしてくれる塩はありますか?」という質問には、
「400 ヒマラヤ ブラックソルト」は硫黄成分を含んでいる塩なので、ゆで卵にかけると“温泉卵”のような風味が楽しめます。そのままお肉に付けて食べてもおいしいですが、焼く前に振りかけると硫黄っぽさが消えてコクだけが残ります。普通のお肉でも、ビックリするぐらいおいしくなりますよ。
といった料理のコツまで教えてくれました。ギフト用に購入したい人も、気軽に相談してみてくださいね。
雑貨のように塩を楽しめる「solco」
店内にはイートインスペースもあり、塩を使ったスイーツだけでなく、平日はお弁当の販売もしています。
「雑貨のように塩を売りたかった」という田中さんの言葉通り、週末にはたくさんの人で店内に行列ができることも。じっくりと塩を選びたい人は、平日の来店がベターです。
よくよく考えると、醤油や味噌は食材や料理によって使い分けるのに、塩はどんなときも同じものを使っていたりします。野菜や肉をシンプルに味わってみたいときこそ、塩にこだわってみてもいいかもしれませんね。
塩の奥深き世界、あなたも体験してみませんか?