幼い頃を一緒に過ごした、かけがえのない存在。一緒に寝たり、どこに行くにも常に腕の中に抱えていたり、色んなことを話しかけたり、時には涙を見せたことも。そう、自分だけのぬいぐるみです。
今ではどこにあるのか記憶が曖昧。そんな大事なあの子のことを思い出させてくれて、そしてまた会いたくなる、そんな本があります。
アイルランドの著名な写真家Mark Nixonによって撮り下ろされた、数多くのぬいぐるみの写真が詰まった『Much Loved』。
もともとこの本のアイデアのインスピレーションとなったのは、写真家本人の息子Calumの持っていたピーターラビットのぬいぐるみ。
(出版された2013年当時で)10年もの。Calumの祖母が与えたもので、生まれたときからずっと、一緒に過ごしていたものだそう。息子が常にこの子を肌身離さず持っていたことは、色合い、手触り、そして匂いが証明しています。
そしてこちらのテディベア。
U2のBonoの友人であったGreg Carrollのもの。Gregが事故によって26歳の若さでなくなった際、形見として、Bonoともう一人の友人Ali Hewsonの手に渡ったそう。もしかしたら故人にとって最初のお友達だったかもしれないテディベアが、人生の最後において最も大切な友人たちに託される、そんなストーリーがここにはあります。
それぞれのぬいぐるみの年齢、持ち主、そしてそのぬいぐるみと持ち主が過ごした時間を記しているこの本は、幼少期を思い起こさせ、切なくそしてほっこりした気持ちにさせてくれます。
今度の週末にでも、あなたの大事なぬいぐるみと久しぶりに会いたくなるかも。