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ライフハッカー[日本版]より転載:

男子2人の料理ユニット「つむぎや」は、雑誌やイベント、著書などで和食ベースの創作料理を紹介しています。本連載では、金子健一さんとともに活動しているマツーラユタカさんが、調理道具にまつわるエピソードとともに、料理のノウハウを解説しながら、毎回1品ずつ大人なレシピを提案します。第1回第2回ではル・クルーゼのお鍋を取り上げましたが、今回は「すり鉢」にフォーカスを当てます。

男性が料理を覚えていくなら、すり鉢は一番おすすめのキッチンツールです。「丁寧な料理」の象徴のような道具であると同時に、アクションがエモーショナル。五感で料理をしているという充実感を味わえます。

すり鉢というとゴマをするイメージが大きいですが、マッシュポテトを作ったりペーストを作ったりと、いろいろな料理に活用できますし、丼や器代わりにも使えるというとっても便利な道具なのです。

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自分が愛用しているすり鉢はいくつかあるのですが、今回使用したのは島根を旅した際に出会った岩見焼きのすり鉢。

内側は職人さんによってひとつずつ目入れしてあり、どっしりとした重量感で使いやすいひと品です。民芸品っぽいデザインが食卓でも映えます。

すり鉢でマインドフルネス

最近、マインドフルネスという概念が注目されています。「座禅」のようなイメージで捉えられることも多いと思いますが、大切なことは呼吸にフォーカスしながら、「今ここ」に意識を向けていくことだと思っています。

そういう意味では、すり鉢を使ってゴマをするという行為は、エモーショナルであると同時にとても瞑想的。ゴマをするという行為が生活の中で気軽に実践できる瞑想法なのだと考えると、毎日の料理の時間もまた違ったものに思えてきませんか?

ということで、今回はゴマをするという行為自体をじっくり味わいつつ、ちょっと洋風なゴマあえを作り、すり鉢の奥深き世界に足を踏み入れていきたいと思います。

『ズッキーニのバジルゴマ和え』

材料

(4人分)
ズッキーニ(1/2本)
白ゴマ(大さじ2)
バジル(2~3枚)
醤油(小さじ1)
砂糖(小さじ1)
酢(大さじ1/2)
オリーブオイル(大さじ1/2)
塩(少々)

作り方

1.野菜を切り、ゴマを炒って香りを引き出す

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洋風のゴマあえということでセレクトした野菜はズッキーニ。火を入れて料理するイメージが強いですが、生でいただくのも美味しいです。ズッキーニはせん切りにしてボウルに入れ、塩を少々ふって軽くまぜて馴染ませておきます。

続いてはフライパンの上にゴマを広げ、弱火で炒ります。フライパンをゆすりながら炒り、ゴマの香りが立ってきたら、すり鉢に移してください。料理の中で「香り」は美味しさを輪郭づける大事な要素でもありますが、調理途中の香りを楽しむということも、料理を好きになる大事な要素でもあるのです。

2.丁寧にゴマをする

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すり鉢を使うときには、下に濡れ布巾などを置き、下腹ですり鉢の縁を押し付けるようなポジションをとると安定感がでます。片手はすりこ木の真ん中あたりを持ち、もう片方の手ですりこ木の頭の方を支えます。頭の方に置いた手はあくまで支えるイメージで、すりこ木の重さを利用しながら、あまり力は入れずクルクルとまわしていきます。

ゴマをするという行為と向き合って、ただ手を動かしていくと、どんどん集中が深まっていきます。ゴマの状態も細かくなっていく同時に、だんだんと油が出てしっとりとしていきます。

さらに香りもフライパンで炒っただけでもよい香りだったのですが、すり鉢を使っていると、その香りがどんどん開いていくのがわかります。キッチン全体に香ばしい香りが広がっていく、その瞬間を存分に味わってくださいね。

3.バジルを加える

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ゴマがしっとりとしてきたら調味料とあわせていくのですが、今回はちょっと洋風なゴマあえを作りたいのでここでアレンジを。バジルの葉を手で適当に千切りながら加えて、さらにすっていきます。バジルの葉をつぶし、ゴマに馴染ませていくイメージです。

4.すり鉢の変化を五感で味わう

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バジルが馴染んでいく過程で、色や香り、質感がさらに変化していきます。無心になって、ひたすら円を描くように手を動かしていくと、すり鉢の中にひとつの宇宙ができあがっていくような感覚にもなります。この一連の行程がマインドフルネスだなあと感じるワケです。日々の料理の中で、こういった感覚が味わえるのは貴重なことです。

自分はマクロビオティックの専門家ではありませんが、マクロビオティックでは陰陽の世界として料理を捉えていくので、すりこ木を動かす方向が右回りだと陽性の気が、左回りだと陰性の気が入っていくというような考え方もあるようです。

また精進料理で有名なゴマ豆腐は、丁寧にすったゴマを葛で固めたもの。禅寺では修行のひとつとしても捉えられているのです。すり鉢の世界を極めたいという方は、さらに奥深い世界が広がっているんですよ。

5.調味料を加え、ズッキーニをあわせる

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さて料理の話に戻ります。バジルの形が崩れ、ゴマによく馴染んだところで砂糖、醤油、酢を加えてすり、オリーブオイルを加えて馴染ませます。これがいわゆる「あえごろも」となります。塩をふってしばらく置いておいたズッキーニは水分が出てきますから、それを軽く絞った上ですり鉢に入れて、「あえごろも」とよくあわせたら完成です。

6.洋風のゴマあえを楽しんで

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バジルやオリーブオイルを合わせたり、野菜に洋風なズッキーニをセレクトしたり、そんなちょっとのアレンジでいつも作っているゴマあえにも新しい魅力が生まれます。ごはんにはもちろん、ワインなどのおつまみにもぴったりな一品になります。バジルを別のハーブに変えたり、さらにスパイスを加えたりすると、ゴマあえのバリエーションを広げていけますよ。

マインドフルネスな感覚を味わいつつ、アレンジはフリーダムに。すり鉢ある毎日を楽しんでくださいね。

マツーラユタカ/物書き料理家
ライター稼業を営むかたわら、金子健一とともにフードユニット「つむぎや」として活動。雑誌、書籍、イベントなどで、和食ベースのオリジナル料理を提案。『ヌードルメーカーでもっとおいしい!生麺レシピ』(マイナビ)『あっぱれ!おにぎり』(金園社)など著書多数。最新刊『らくらく!和食パスタ100』(主婦と生活社)が発売されたばかり!

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