こんにちは。ルーミーセレクターの岡本英子です。
私は薫物屋香楽(たきものや からく)認定の香司として、東京を中心にお香を創るワークショップを開催しています。
見慣れない漢字を見て「なんて読むの?」と思った方がたくさんいらっしゃると思いますので、まずはご説明から。
“香りを司る”と書いて「香司(こうし)」と読みます。
沈香(じんこう)、白檀(びゃくだん)、丁子(ちょうじ)、龍脳(りゅうのう)など、お香に使う原料を選び調合して、匂い袋やお線香を創ったり、お香にまつわる文化や歴史をお伝えしています。
お香は日本に古くからありますが、知っているようで知らないことが多いものです。今後、ルーミーでは「お香」の色々をご紹介していきます。
さて初回は、お香の種類についてです。皆さんは、お香にどんなものがあるかご存知ですか?
きっと「線香」を連想される方が多いのではないかと思います。他にもお香には色々な種類がありますので、今回は代表的な5つを簡単にご紹介します。
1. 線香
火をつけて使います。線状になったお香なので「線香」と呼ばれています。竹の芯に香料を練り付けた「竹芯香(ちくしんこう)」と呼ばれるものが今の線香の原型です。また、香りを楽しむ目的で作られるスティック状やコーン型の「インセンス」も、火をつけて焚くお香になります。
2. 匂い袋
常温で使用します。美しい柄の袋にお香の原料を詰め込んだ「香袋(こうぶくろ)」、衣類や書物の防虫をする「防虫香」、お手紙に香りを添える「文香」などがあります。「薬玉」も匂い袋の一種と考えられています。
3. 練香(ねりこう)
お香の原料を蜜で練って丸薬状に丸めたものです。線香とは違って燃やさず、お香を楽しむための器「香炉」に専用の灰と火種となる炭を入れ、間接熱で温めて香りを楽しみます。
4. 塗香(ずこう)
パウダー状のお香の原料を調合したもので、手などに擦り込んで使います。密教系の寺院を中心に心身を清めるために使われますが、最近はボディパウダーとして香りを楽しむ方も増えています。
5.印香(いんこう)
花や扇、ひょうたんなどの形をした鑑賞用のお香で、「練香」同様、温めて香りを楽しみます。最近は色や形、使っている香料も様々なものが出ていて、プレゼント用にも人気があるようです。
他にもお香はありますが、今回は代表的な5つをご紹介しました。気軽に楽しめるお香が色々ありますので、ぜひご自宅で試してみてください。
それではまた次回。
Photographed by Eico Okamoto