高級なデザイン家具もいいけれど、使っているだけで誰かのぬくもりを感じられる、こんなDIYはいかが?
東京中心部からちょっと離れた国分寺にあるオフィスでは、美大卒業生たちがこんな風にオフィスをリノベーションしているんです。
例えばこの本棚。よく細部を見てみると、
なんとゼロからの手作り。その証拠にホラ、こっちを見てるみたいなネジの位置がちょっとずれています。
デスクの上にも工夫がたくさん。バラバラになってしまう色鉛筆はメイソンジャーに入れてすぐに好きな色を取り出せるようになっていて、
置き場所に困ってしまうコンセントは切り株の上にポン!
MacやiPhoneも切り株の上に置いたら、なんだか温かみのある表情になりそうです。
すぐに中身が変わる画材はマスキングテープで管理。テプラの代わりといったところでしょうか。手描きの文字に、書いてくれた人の風合いを感じます。
お手洗いに入ってみると、なんと雪の日の朝に窓を開けたときのような明るさ。なるほど、水道管から壁まで、ぜーんぶペンキで塗ってあるんです。
真っ白な空間に置かれたグリーンは「ちょっと一息ついたら?」なんて話しかけてくれそうです。
ワークスペースをのぞいてみましょう。この机はもしかして…。
そう、IKEAの架台に天板をのせたDIYデスクです。
天板が安定するように架台にはこんな小さな工夫が。
繊細なデザイン作業をするメンバーへの気遣いがこんなところにも生きています。
作り付けの本棚には、最近一段足したのでしょうか、まだ釘が置いてあるみたい。
みんなでつくった本棚に真っ先に並ぶのはみんなでつくったフリーペーパー。作り手が同じだから、雰囲気もぴったりなのです。
最後にとっておきの置き台をご紹介。
本棚と同じ素材で社員ひとりひとりの分が用意されています。書類を扱う人にはファイルケースにぴったりの高さ、小物類を扱う人には低い棚が2段のオートクチュール。
使っているのはどこのホームセンターにでも売っている合板や、規格サイズの角材。特別な塗装や加工は何もしていません。
だけど使う人のことを想って、持ち物や作業の内容に合わせて作られているから、どの人の机や持ち物にもぴったり。
素材もそのまま活かしているから、どんな場所にも溶け込んで、愛情をたっぷりかけてもらえるんですね。
デスク上でこぼしてしまいそうなコーヒーを置いて、その横にはお気に入りのグリーンを。
この席でお仕事をしているルーシーさんは、こう語ってくれました。
「本当にちょうどいい高さなんです。この台は素材の木目がそのまま見えるから、なんだかグリーンを置きたくなって」
その気になればなんでも作れてしまう美大卒業生の彼らなら、もちろん既製品のようにDIYをすることだってできるはず。
でもそんな彼らのDIYは、ひたむきに使う人のことを想ってデザインし、あえて素材を生かすとっておきの手仕事。インテリアそのものを、切り株のように空間に溶け込ませてしまう愛情たっぷりのインテリアなのでした。
今回お邪魔したのは「世の中をもっとARTSYに」を合言葉にさまざまなクリエイティブを生み出している株式会社モーフィング。彼らのもっと詳しいDIYはこちらからどうぞ。