みなさん料理する前に野菜をゴシゴシ洗っていますか?
スーパーに並ぶほとんどの野菜は、出荷前によく水洗いされており、泥などがついておらず、ピカピカの状態です。
キレイに見える野菜ですが、農薬やバクテリアなど目に見えない物質が付いていることがあります。直接口に入れる前に、キレイな野菜を食べるにはどうしたらよいのでしょうか?
流水で30秒以上しっかり野菜を洗うのが正解!
コネチカット州農業試験場で行われた農産物を流水のみで洗う実験で、12品目の農薬について調査した結果、9つの残留量の減少が確認されました。この実験で除去できた農薬の一部は、水溶性ではありません。つまり、水に溶けて農薬が無くなったわけではなく、水の流れる勢いで農薬が取り除かれたということです。
同試験場は、流水だけでなく、農産物専用洗剤や食器用洗剤を使って農薬を洗う実験を行いました。この結果でも、どんな洗い方をしても、洗わない野菜よりも残留農薬は減るという結果が出ました。
この実験で面白いのは、食器用の洗剤で洗っても、農業用の専用洗剤で洗っても、結果が同等だったということです。農薬を取り除く専用洗剤が、特別に強い効き目というわけではないのですね。
研究チームは以下のようにオススメしています。
農産物は流水で30秒以上洗いましょう。農産物専用洗剤や食器用洗剤は必要ありません。
たしかに農薬をなくすために野菜を洗っているのに、洗剤の余計な成分を野菜に残したくはありませんよね。
残留農薬は、人体に危険なほどの量は残っていないとのデータもあります。野菜をよく洗ったからといって、農薬を100%除去できるとはいえないけれど、もともと農産物の残留農薬自体が危険のない水準なのです。
バクテリアは酢を薄めたスプレーで水洗い!
ごくごく珍しいケースですが、汚染された野菜や果物を食べたことが原因で、食中毒になることがあります。汚染された食品は、洗っただけでは細菌は除去されません。例えばの話ですが、汚染された野菜を漂白剤で洗ったとしても、バクテリアがつくるバイオフィルムを壊すのは難しいのです。
料理雑誌『Cook’s Illustrated』誌では、野菜のバクテリアを除去するために、家庭でできる4つの方法を比較しています。
実験対象は、「流水で洗う」、「ブラシと水で洗う」、「洗剤を溶かした水で洗う」、「酢を溶かした水で洗う」、の4つの方法です。どれもまずまずの成果がありましたが、酢で洗う結果が特によく、実験対象のバクテリアのうち98%を除去できました。
この実験では、酢1に対し水3という希釈液を使っていました。同誌の編集者のJack Bishop氏は、この濃度に薄めた酢をスプレーボトルに入れてシンクまわりに常備しておくよう勧めています。酢を野菜にスプレーしたあとは、冷水ですすぐだけで完了です!
ブロッコリーなどの洗いにくい野菜は、酢を薄めたお水を入れたボウルに浸しておくのがいいでしょう。
また、バクテリアの除去には、お湯で殺菌するのも効果的です。つまり、温野菜にして食べれば、より安全な野菜となるのです!
野菜をよく洗うこと、加熱することのほかにも、地元の野菜を選ぶことも効果的です。消費者の手元に届くまでの工程が少ない分、洗浄後の農産物が何か不潔なものに接触してしまう機会も少ないからです。
バクテリアは低温環境ではあまり繁殖しないので、野菜や果物を冷蔵庫で保管すれば、バクテリアの繁殖を抑制できます。冷蔵庫の設定温度を摂氏0~4度にすると、食品が長持ちするそうです!
毎日口に入れる野菜や果物だからこそ、野菜を洗う習慣を身につけたいですね。