名古屋の有松という町で100年以上にわたり継承されてきた「有松鳴海絞り」をご存知ですか?

日本製品のクオリティの高さが海外でも評価されていることは日本人として誇らしいかぎりですが、伝統工芸と聞くとちょっと保守的でカタいイメージを抱く人も多いかもしれません。

では、Lacoste、Yohji YamamotoやChristian Wijnantsとのコラボレーションや、フランスを代表するラグジュアリーブランドのオートクチュールへのコレクションに「有松鳴海絞り」の生地が提供されている、と聞いたらどうでしょうか?

ドイツのデュッセルドルフにアトリエを構える「suzusan」は、代々家族で営まれてきた伝統工芸「有松鳴海絞り」の5代目。

なぜ、突然ドイツで?と疑問に思う方も多いはず。私もその疑問と好奇心を胸に、ドイツでアトリエを開いたご本人、村瀬弘行さんにお話を伺うべく、アトリエを訪ねてきました。

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中庭に面したアトリエの玄関テラスには、たった今染めたばかりの商品が干されていました。技法によってドイツと日本のアトリエでひとつひとつ全て手作業で染めているそうです。

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子どもの頃から家業を継ぐ意識は全くなく、ドイツの美術大学でアーティストになることを志していた村瀬さん。在学中に現在のビジネスパートナーと出会い、実家で作られた有松鳴海染めの商品をたまたま見たビジネスパートナーが気に入り、ドイツで会社を立ち上げることになったそう。

熟練した技術を身に付けるために時間と忍耐力が必要とされる伝統工芸。更に、流行の移り変わりの早い現代の風潮が追い打ちをかけるように、衰退の一途を辿るものが多いという現状。有松鳴海染めもそのひとつです。

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そんな中、村瀬さんは、ドイツやフランス、ロンドンの大学で有松鳴海染めのレクチャーを行い、海外からの学生を有松のアトリエに迎え入れ、数ヶ月の長期滞在をして絞りを学ぶ環境を提供しています。

内に内に向きがちだった今までの職人の意識を外に向けることで、自分たちの技術の貴重さを再確認するきっかけとなり、最近では20代の若い日本人の職人も多く入って来て、有松に活気が戻って来ているそう。

「まだまだ職人の数としては少ないですが、100年後にも産地で絞りの技術が受け継がれている事が夢です。」

そう語ってくれました。

そんな伝統文化の復旧活動とのギャップを感じずにはいられないのが、suzusanの商品たち。

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その技術はインテリアにも活かされています。

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こちらのランプカバーは、染めない伝統工芸です。

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絞りの技術を使った形状記憶加工。

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なんと洗濯機でも洗えます。もちろん、形が崩れることはありません。

来春シーズンからはお洋服にも。

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「made in Japan」や「伝統工芸」を前に押し出すことなく、かたちと技術が歩み寄り、とても自然に融合し、ひとつの商品となっています。

「made in Japan」や「伝統工芸」を背負いすぎない自由な発想。時代の空気を吸っている伝統工芸。「現統工芸」という新語が生まれそうな予感です。

「気に入って買ってタグをひっくり返したらMade in Japanだった、というのが私の理想です」と村瀬さんは言います。

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立ち上げから7年。いまでは18か国以上でsuzusanの商品を目にすることができます。ファッションではパリのL’eclaireurやミラノのBiffi、インテリアではスイスのAlineaやNYのBarneys、東京では新宿伊勢丹で販売されています。

今秋からは大丸、高島屋、ユナイテッドアローズなど日本国内での取り扱いも広がります。

10月10日(土)~18日(日)は青山のセレクトショップ、Plain Peopleでポップアップショップも開催される予定です。お店で是非、その柔らかい布の感触を感じてみてくださいね。

同じ柄のパターンでも、手作業ならではの柄の違いを見比べてみるのも楽しいですよね。

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温故知新とは、まさにこのこと。

時代の空気を吸い、キャラクターを変え、そこに居る。私たちが西洋のライフスタイルを日本流に取り入れるように。きっと、良いものこそが姿を変えることができるのですね。

商品の詳細、suzusanのホームページはこちら

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