マンハッタンのグランドセントラル駅から、列車で北に向かって1時間半。ニューヨークのアップステートに、Beaconという町があります。
こちらで、アーティストMelissa McGillにより、ハドソン川上に浮かぶ小さな無人島「Pollepel Island」に残る、古城の遺跡を使ったアートインスタレーションが行われています。
そこに佇む美しい古城は、20世紀に造られ、甲冑、機関砲、そして火薬を納める倉庫として使われていました。しかし1920年におこった火薬爆発によって、現在残された壁だけの姿になりました。
その退廃した美を持つこの外壁に光を灯し、元のお城の形を再現する今回のインスタレーション。夕暮れ前にBeaconからボートに乗り、無人島に上陸してガイドとともに島を巡ります。
日本で古くから尊ばれている侘び寂びの楽しみ方を、ここニューヨークで思い起こさせます。日が暮れ始め、色濃くなった空との対比も美しい。
そしてボートに戻る頃にはお日様は隠れ、いよいよライトによって夜空に古城が浮かび上がります。
それぞれのイマジネーションを使いながら古城を眺めるツアー参加者達は自然と無口になり、ボートが作り出す波の音だけが響く静けさが広がります。
こちらのビデオでこのプロジェクトが紹介されています。
10月30日まで、週末に開催。完全予約制。予約の詳細はこちらから。
Constellation[vimeo]
Photographed by cookiehead