徳島県は、日本一を誇る「藍」の生産地です。

徳島駅から車で20分。広大な吉野川を越え、田園風景が広がる上板町に藍師・染師「BUAISOU」のスタジオがあります。

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BUAISOUのメンバー(左から)渡邉 健太さん、楮 覚郎さん、三浦 佑也さん、結城 研さん

藍の栽培、染料作り、染色、縫製、それぞれを分業するのが一般的ないま、BUAISOUはその一連の工程をすべて自分たちで手がけています。

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ルーミーを運営する株式会社メディアジーンの新サービス「machi-ya」のアイコンである暖簾(のれん)を、BUAISOUのみなさんに製作していただきました。

machi-yaとは、世界初となるEC・求人・クラウドファンディングを包括したオンライン上のマーケットプレイス。日本で古くから栄えてきた「町家」のように、モノ、職、未来のビジョンも並び、人が行き交うオープンなスペースとなります。

インターネット上のサービスですが「暖簾は手で触れられるリアルなものを作りたい!」というmachi-yaスタッフの思いから、この暖簾づくりプロジェクトがスタートしました。

BUAISOUのみなさんのご協力のもと、machi-yaの暖簾ができるまでを、徳島のスタジオからお届けします。


藍染の原点は「畑」

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スタジオ近くにある藍の畑。ここで藍の葉を育て、収穫します。除草剤はまかず、草ぬきはすべて手作業。

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収穫した藍を裁断機にかけた後に乾燥させて、葉と茎を分けます。乾燥させているテントの中は、まるでウーロン茶のようなほんのり甘く香ばしい香りがしました。

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乾燥した藍の葉(左)とすくも(右)

葉のみを集めて、定期的に水をかけつつ、かき混ぜておよそ120日間発酵させます。微生物と水と人のチカラによって、染料のもと「すくも」が完成します。畑から「すくも」ができるまで、終始、肉体を駆使する重労働なのです。

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(左から)木灰汁、石灰、ふすま、すくも。これらを混ぜて発酵させると染料になる。

BUAISOUでは、化学薬品を一切使わず、伝統的な「地獄建て」で染料を仕込みます。いろんな手法がある中で、この地獄建ては材料がシンプルな分、センシティブで管理が難しいそうです。その代わりに色落ちしにくく、強い染料ができ上がるとのこと。

「たとえ大変でも、どうせやるなら難しい方をやってみたくて」とひょうひょうと語る渡邉さんが印象的でした。


暖簾の藍染がスタート

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暖簾の中央には、machi-yaのロゴが入ります。あらかじめ裁断しておいた布にロゴに合わせて型抜きしたメッシュのシートを置き、上から糊を塗って染液が付着するのを防ぎます。そうすることで、ロゴマークが浮かび上がるというわけです。

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180cmほどの深さがあるケースにたっぷり溜まった染液。真っ黒の少し手前、濃く深い青色でした。この中に布を沈めて染色をします。この液はまだ1週間目の新しいもの。元気な染液は色鮮やかに染まるのが特徴だそうです。

繊維に染液(インジゴ)が沈着して、それが空気に触れることで酸化して発色が起きます。染色は一回2〜3分ほど、合計3回行われました。

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フレッシュな染液でしっかり染まったので、予定よりも染色の回数を減らして3回になりました。天然の藍は、液の状態や温度、湿度、素材によって染まり方が変わるので、その都度色を見て何回染色するかを判断するんです。(渡邉さん)

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3回目の染色が終わったら、ぬるま湯につけて指でこすりながら糊を落とします。

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水洗いを4〜5回繰り返して染液の灰汁(あく)を抜き、酢酸を入れた水で洗い(酸通し)、呉汁(大豆粉の上澄み汁)に通して色止めをします。

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一晩干して、乾燥させたら、最後に縫製に移ります。スタジオの奥にミシンが並ぶ部屋があり、縫製をメインに担当している三浦さんがミシンを走らせていました。

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この暖簾は繊維がランダムな幅で絡み、布地の両端の長さも微妙に違う。だから、手で少しづつ調節しながら縫っていくんです。(三浦さん)

最後に竹竿を通せば完成です。


machi-yaの暖簾が完成!

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BUAISOUのみなさんとmachi-ya担当の齋藤さん

軽やかな素材で、向こう側がうっすら透けるようなさわやかな印象。それと同時に、なつかしさを感じる温かみもある仕上がりです。

この暖簾は、季節に柔軟なオールラウンダー。軽やかな素材なので夏と相性がいいのはもちろん、冬でも光が透けて温かい印象になることをイメージしました。夜の白熱灯に透けるのもきっといい感じだと思いますよ!

どんな布地にしようか迷いましたが、真っ白ではない生成りのものを選びました。藍色に対して白いロゴのコントラストが強すぎず、いいバランスがとれました(渡邉さん)

染めた時間は、合計で10分未満。その背景には、藍の種まきから収穫まで一年がかりの畑仕事があります。

BUAISOUのみなさんが愛情を注ぐ畑、そして「藍色」へのまっすぐな思いから生まれたmachi-yaの暖簾。東京へ飛び立ちます。


machi-yaのプレ・ローンチイベントでお客さんをお出迎え

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渡邉さんがおっしゃった通り、暖色の照明とうまく溶け込んで、なんともやわらかい印象。入り口でゆったりと、やさしくお客さんを迎え入れていました。これから本格始動するmachi-yaのシンボルとして、今後も活躍してくれることでしょう。

machi-yaの最新情報は、公式Facebookページからご覧ください。

BUAISOUの成り立ちや活動について、もっと知りたい方は、以下のインタビューをお楽しみください。

『NYでも活動する「藍染」の新星、BUAISOUってどんな人たちなんだろう?』
https://www.roomie.jp/2015/09/288627/

Photograph by Kenta Terunuma

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