かなりこじれた孤独なひねくれ老人と、隣の家に引越してきたひ弱な小学生。おじいちゃんと孫ほど年の離れた2人の奇妙な友情を描いた映画ヴィンセントが教えてくれたことが、9月4日(金)に全国で公開されます。主人公ヴィンセントを演じたのは、唯一無二のビル・マーレイです。

映画の中でとびきり光っていたのは、ヴィンセントと友情を築く少年オリバーを演じたジェイデン・リーベラー。「普段は子役に対して懐疑的」というマーレイにして「彼は素晴らしい」と言わしめたジェイデンは、小さな体でたくさんの悩みを抱えたオリバーを実に自然に演じました。

ルーミーでは公開を目前に来日したジェイデンにインタビュー。撮影当時は10歳だった彼も、今は12歳。雰囲気が変わっちゃったかな…と思いきや、取材部屋で待っていたのは、少し背は伸びたけど、スクリーンで観たままの笑顔がかわいいオリバーでした。

150903StVincent-09


──『ヴィンセントが教えてくれたこと』が公開されることを、日本の映画ファンも心待ちにしていました。あのビル・マーレイとの共演が決まった時はどう思いましたか?

とてもワクワクしたよ。僕はビル・マーレイの映画が大好きなんだ。最高の俳優だし、すごく興奮した。

150903StVincent-02

──ビルの出演作品でお気に入りは?

『ゴースト・バスターズ』とか『恋はデジャブ』、『天才マックスの世界』も大好き。

──ビルと初めて会った時はどんな感じでしたか?

怖かった!

──えっ(笑)。

かなり威圧的だったんだ。最初は僕が「こんにちは」って言ったら、無視したんだよ(笑)。でも、本当はすごく良い人。少しずつ受け入れてくれるんだ。もし嫌いな相手なら嫌いなままだけどね(笑)。ラッキーなことに僕のことは好きになってくれた。共演していて楽しかったよ。すごく優しかった。

(ジェイデンのことは)日ごとに好きになっていった。ある時、彼がすごい演技をしたことがあったんだ。今まで私がすごいと思った俳優たちと同じくらいの演技をね。あれには驚いた。妥協せず、とことん突き詰めて……本当に輝いていた。 ──ビル・マーレイ

──劇中では演技とは思えないほど、本当に仲が良さそうでしたね。

ヴィンセントとオリバーと同じように、ビルと僕も少しずつ仲良くなっていったんだ。最初はビミョーな関係で(笑)、僕にとっては怖かったんだけど、でもお互いに慣れていって、どんどん親しくなった。

──ビルからは演技をする上でアドバイスはありましたか? 撮影当時は10歳だったんですよね?

うん、まだ10歳だったし、初めての映画だったから緊張していたんだ。ビルからは、何をするにもリラックスするべきだと言われた。「撮影中は身体を楽にして、落ち着きなさい」って。いっぱい助けてもらったんだよ。

150903StVincent-07

──オリバーとジェイデンの共通点は? オリバーのどんなところが好きですか?

オリバーはすごく優しくて、相手の良いところを見る人。僕との共通点は内向的なところかな。

──内向的なの?

うん、ときどき(笑)。頭の中でいろんなことを考えているタイプだよ。それに僕もオリバーも人を傷つけるのは好きじゃない。そこは同じだと思う。

150903StVicent-03

──数々のCMを手掛けてきたセオドア・メルフィ監督にとって、今作は初めての映画だったそうですね。監督からはどのような演出がありましたか?

テッド(監督のニックネーム)は、まるでたくさんの映画を監督したことがあるみたいだった。素晴らしい監督なんだよ。撮影前は何度も何度も脚本を読むように言われて、20回くらい読んだ。撮影中は自然に、自分らしくいることが大事だって。“演じる”のではなくて、“オリバーになる”ように言われたよ。

ジェイデンはただの子どもじゃない。私にしてみれば、彼の人間性はビル・マーレイにとても似ている。周りの人々のことを理解し、それにどう反応すべきかが分かっているんだ。演じないということも分かっている。いつでも静かにそこにいるんだ。90歳の老人のように見えるが、笑うとやっぱり子どもなんだ。  ──セオドア・メルフィ監督

──特に好きなシーンはありますか?

競馬場での撮影が楽しかった! 僕も4ドル儲かっちゃった(笑)。

150827StVincent-04

──1番がんばったシーンは?

間違いなくスピーチのシーン! 台詞がたくさんあったし、いろんな感情がわいてきたんだ。それにたくさんの人が舞台の上の僕を見ていたから、1番大変だったよ。

──他にもメリッサ・マッカーシーやナオミ・ワッツが出演していますが、撮影現場での思い出はありますか?

キャストもクルーも、みんなとても優しかったよ。それに僕はフィラデルフィア出身だから、フィラデルフィアに近いニューヨークで過ごせてうれしかった。家族も会いに来てくれたんだ。あとは撮影後にみんなと一緒にプロモーション活動をしたのも良い思い出。みんなでトロント国際映画祭に行って、インタビューを受けたりして、とても楽しかった。

150903StVincent-08

──大人たちはどんな質問をしてきた?

1番人気は「ビル・マーレイと共演するって、どんな感じ?」っていうやつ(笑)。でも、当然だと思う。ビル・マーレイは面白い人だからね。

──今回はビルたちに来日するって伝えましたか?

ううん、日本に行くって聞いて、そしたら僕だけだったんだ(笑)。責任感じちゃうよ。

──初めての映画となった今作から学んだ、1番大きなことは何ですか?

『ヴィンセントが教えてくれたこと』は僕だけじゃなくて、映画を観たみんなに、自分を信じることや犠牲をいとわないこと、それに家族を大切にすることを教えてくれるよ。ヴィンセントがそうしたみたいにね。ヴィンセントは愛する人たちを大切にしていて、オリバーの面倒も見てくれた。それって素晴らしいことだと思う。それがこの映画のメッセージだよ。

150827StVincent-02

──今後はたくさんのエキサイティングなプロジェクトが控えているそうですね。

『ヴィンセントが教えてくれたこと』の後、ハワイで「Aloha」という映画の撮影をしたんだ。アメリカでは5月に公開されたキャメロン・クロウ監督の作品だよ。ビルも出演していたから、また共演できて楽しかった。「Aloha」の後は「Midnight Special」という映画に出演した。監督はジェフ・ニコルズ。SF映画だよ。

──『ジュラシック・ワールド』のコリン・トレボロウ監督の新作にも抜擢されたそうですね。

うん、「Book of Henry」っていうんだ。9月にニューヨークで撮影するんだけど、またナオミ(・ワッツ)と共演するんだよ! 僕のママ役なんだ。楽しみだな。

──将来の夢は? 大人になっても俳優を続けたいですか?

演技も続けたいけど、監督と脚本にも挑戦してみたいんだ。それに映画以外の仕事もやってみたい。コミックブックを描くとか…何かクールなことがやってみたいな。僕は絵を描くのが大好きで、いつも描いているんだ。すごく小さい頃から、ときどき自分のコミックブックを作っているんだよ。

150903StVincent-10

──今回は初来日だそうですが、何かやってみたいことは?

到着してからジブリ美術館に行ったんだけど、楽しかったよ! あとは魚市場に行きたいんだ。時差ぼけだから朝早く目が覚めるしね(笑)。できるだけいっぱいお寿司を食べるつもり。日本食は僕の大好物なんだ!

──最後にルーミーの読者にメッセージをお願いします。

とにかく映画を楽しんでほしいな。これは僕の人生を大きく変えた作品なんだよ。この映画のおかげで、いろんな新しい役を演じることになったし、こうして東京にも来られた。本当に人生が変わったし、この映画に出られてハッピーだよ。

ヴィンセントが教えてくれたこと
監督・脚本・製作:セオドア・メルフィ
出演:ビル・マーレイ、メリッサ・マッカーシー、ナオミ・ワッツ、クリス・オダウド、テレンス・ハワード ジェイデン・リーベラー
配給:キノフィルムズ
©2014 St. V Films 2013 LLC.  All Rights Reserved.
9月4日(金)TOHOシネマズ シャンテ、TOHOシネマズ新宿他全国公開

Jaeden Lieberher photographed by Tetsuro Sato

ヴィンセントが教えてくれたこと』[キノフィルムズ]

この記事を気にいったらいいね!しよう

ROOMIE(ルーミー)の最新情報をお届けします。

あわせて読みたい

powered by cxense

Ranking