波佐見町の中で、もっとも肌で“やきものの里”を感じられる場所。レンガ作りの煙突が伸び、多くの窯が軒を連ねる中尾山。分業制の特性を持つ波佐見焼ですが、この集落のひとつ「ながせ陶房」は、陶芸作家、長瀬渉さんが一から作品を制作しています。

余談になりますが、波佐見焼とは「波佐見町」で作られている焼物全体を指すとのこと。それゆえに、磁器のイメージが強い波佐見ですが、陶器で作品を作る陶芸作家さんもいらっしゃいます

初めて訪れる人は迷ってしまう、やっと車が1台入る細い路地にあり、見た目では“工房”とわかりづらい! しかし、一歩中にはいると長瀬さんの個性的な作品が迎えてくれます。

20150901naga1

山形県山形生まれ。生まれも育ちも東北の長瀬さんですが、奥さんが「有田町で勉強したい」というのをきっかけに移住を計画。「佐賀県という響きより(有田町は佐賀県)、長崎県の響きのほうがなんとなく好きだったから(笑)」そんなこともあり、長崎県波佐見町へ。

2005年に築窯。魚を中心とした生き物をモチーフとした作品は、国内外さまざまな賞を受賞しています。なぜ、魚の作品が多いか聞いてみると「魚釣りが好きだから」という答え。生き生きとした魚の表情は、きっとその愛情からきているのでしょう。

20150901naga

モデルとなる魚は模写するのではなく「リアルのようで、リアルでない。魚を制作するときは写真は見ず、イメージで作っている。それゆえに、実は歯やウロコなど本物とは違う部分も多い。それでも、本物以上にリアルさを出せるように試みている」とのこと。

20150901naga7

現在は、「世にも楽しいまめ皿展」(会期終了)に出品する魚たちが所狭しと並んでいました。

20150901naga3

陶芸家として輝かしい経歴がありますが、堅苦しいたたずまいではなく、さまざまなことにチャレンジしている行動派。

専門の陶芸分野だけでなく、複合的に工芸を学んだ大学時代。その経験を生かして建物のリノベーションも手がけています。現在の工房も、後継者不足で廃業した製陶工場を購入して自らリノベーション。工房らしからぬカフェのようなカウンターキッチンも自ら製作。現在は個展用の作品作りとともにトイレを改築中とか。

20150901naga2

「波佐見は外から来る人にやさしい程度に田舎。でも福岡にアクセスしやすく若い人も暮らしやすい」と言います。

世界初?の個人ガチャガチャ「陶ブローチ」など、まだまだ新しいことにチャレンジし続ける長瀬さん。「ものづくり」を楽しむユニークさ。波佐見に新しい風を吹き込む「ながせ陶房」から目が離せません。

ながせ陶房
住所:長崎県東彼杵郡波佐見町井石郷2187-4

この記事を気にいったらいいね!しよう

ROOMIE(ルーミー)の最新情報をお届けします。

あわせて読みたい

powered by cxense

Ranking