こんにちは。DIYウェディング協会の藪内です。

牧場でのDIYウェディングプロジェクトに密着するシリーズの第6回目。主役である平井さん夫妻が、友人と考えたネーミングは「Tane x hana wedd.(タネ・ハナ ウェディング)」。

結婚式本番とその制作過程をレポートしています。

Vol.1:平井さん夫妻と牧場DIYウェディング
Vol.2:ブランディング(ネーミング、ロゴマーク、テーマカラー、ホームページ)
Vol.3:建築 〜前編〜
Vol.4:建築 〜後編〜
Vol.5:衣装

今回は、結婚式の楽しみのひとつである「食事」に密着します!

結婚式において食事とは、新郎新婦からのオモテナシです。「どんな食事が出るんだろう?」ゲストにとってもすごく興味があるところですよね。

緑があって空気がおいしくて仲間がいて…。青空の下のDIYウェディングでは、結婚式場とはひとあじ違った、おいしい食事が楽しめます。

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素材にこだわった美しく、おいしいお料理がたくさん振舞われたのですが、その中で今回は「チーズ」「オードブル」、そしてメインディッシュである「お肉」にフォーカスしてお届けします。


新婦の実家でとれた牛乳で作る「オリジナルチーズ」

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まずはアミューズとして登場したチーズをご紹介します。様々なチーズとオードブルでウェルカムパーティがスタートしました。

チーズを担当したのが、新婦好美さんの大学の先輩で、「チーズ工房 千」の千代さんです。

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千代さんは大学で生物を学んだあと、国内外の様々な細菌の研究をする傍ら、千葉の古民家を借りてチーズをイチから作る工房を立ち上げました。

渡邉家が作っている牛乳で作ったチーズを振る舞えたらどんなにいいだろう、と考えた新郎新婦は、結婚式の約8ヶ月前、千代さんに直接会いに行きました。

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古民家をチーズを振る舞うバーにしようと改装している「チーズ工房 千

エネルギーあふれる千代さんはカマンベールチーズ作成の最中。

熟成1週間目と2週間目の赤ちゃんカマンベールは、たった一週間の違いで「硬さ」「匂い」「味」がまったく異なります。チーズの世界は思った以上に奥が深いのですね。

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徹底的に温度管理され、整理整頓された千代さんの工房。新郎新婦は、フランスまで修行に行き、細菌の活動に精通している千代さんの本気を感じたそうです。

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ウェディング用のオリジナルチーズ作りのオファーを、快く引き受けてくれた千代さん。6ヶ月熟成の渡邉印のカマンベールを筆頭に、三種類のチーズでお客さんを楽しませてくれました。

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結婚式の当日は、チーズと共にウェルカムフードも任されていた千代さん。カマンベールの他にも、加熱してトロトロの状態をいただくチーズなど、ビジュアル的にも完璧な滑り出し。目の前でチーズを加熱することで、熱々の風味高いチーズを味わうことができました。

那須高原のクラフトビールとの相性も抜群で、おいしくチーズとオードブルにみんなの笑顔が溢れました。


オードブルと特製サルシッチャ

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麦畑でのセレモニーを終えたあとは、中目黒のイタリアンレストラン「Regionale」の出番です。

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Regionaleのみなさん

新郎新婦の共通のご友人である、Regionaleのみなさんに、DIYウェディングでの主力メニューのひとつをお願いすることになりました。

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新郎新婦は何回かミーティングを重ねていくうちに、水道や冷蔵庫がない野外で一流料理を提供することの難しさを痛感したそうです。

調理時間、材料の輸送、大量に必要な食器、料理の提供するタイミング…。話せば話すほど、シェフの宮尾さんの顔が険しくなったそうです。

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建築チームやプランナーの私、その他たくさんの人たちからアドバイスをもらい、最終的な案が固まりました。

 
・提供する料理は事前調理が可能な冷製オードブルとし、当日までに作ったものを冷蔵車で現地へ輸送

・料理の提供は大皿を使用し、お客さんが取り分ける立食形式に。極力スタッフの負担を減らす

・食器類はすべて紙製とし、その場で廃棄できるものを直接現地に送付してもらう

・ローストビーフを含む温かい料理は、基本的に炭火バーベキュー形式にして、下ごしらえの必要がないものに。Regionaleの自慢料理である、ランプレドット(ホルモンの煮込み)や火入れに時間がかかるイタリアンソーセージ・サルシッチャについては、ガスコンロをレンタルして強火で仕上げる

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そして、迎えた当日。綿密に重ねた打ち合わせの甲斐あって、Regionaleさんのオードブルと特製サルシッチャが無事に振る舞われました。予想通りに、オードブルもその場で焼かれた特製サルシッチャも大好評でした。

福島でパン職人をしている「まちなか夢工房」の斎藤巧さんに作ってもらった、フランスパンとの相性も抜群でした。


お待ちかねの「ローストビーフ」

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吉祥寺のハモニカ横丁で「Dish」というビストロの店長をしている鎌谷さん。

新郎の中学校の友人で、鎌谷さんの作る鴨肉のローストが大好物だった新郎は、迷うことなく彼にメインの牛肉の調理をお願いしました。

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メニューの打ち合わせで、ローストビーフを作りたいと相談したところ、ふつうの牛からは3kgほどしかとれないおしりのお肉「いちぼ」を特大サイズの4.5kgの塊を2つも用意してくれました。

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上の写真は2kgほどのお肉なので9kgともなると超巨大。さらにローストビーフという根気のいる調理法。

ローストビーフの調理が長時間に及ぶことは目に見えていました。お店の営業が落ち着いてからの火入れ作業。あっという間に時間が過ぎ、結婚式当日の太陽が顔を出す頃、ようやくローストビーフが出来上がったそうです。

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完璧な焼き加減に鎌谷さん特製のソース

「いちぼ」のローストビーフはいままでに食べたことないくらいとろけてしまい、ギュッとお肉の旨味が詰まった最高の一品でした。

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新郎新婦のケーキ入刀ではなく、「ローストビーフ入刀」も盛り上がっていました。ローストビーフの他にもサーロインも6kgほど仕入れており、全体的にお肉満載のメニューとなりました。

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アスパラをグリルするDishの鎌谷さん。

フード関係者用に作った結婚式のテーマカラーとロゴマークの入った特製のエプロンが似合っています。新郎の同僚のご実家が飲食店のユニフォーム屋さんだというご縁からエプロン制作が実現しました。

ローストビーフの他にも、好美さん大好物のレバーパテを12本ほど持参していました。こちらもゲストに大人気でしたね!

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チーズもパテも、いろんなものが同時多発的に提供されて、何を食べようか迷ってしまうほど。食べ逃してしまって「今度お店に食べに行こうよ!」とでも話している人もいました。こうしてゲストとレストランとの繋がりができるのも、カジュアルなDIY結婚式の醍醐味ですね。

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宴は夜まで続きました。

牧場での結婚式ということで、メインは牛肉。「ローストビーフ入刀」の儀式のように、新郎の”肉好き”が全面に出た、とってもユニークなフードメニューとなりました。

そして、その牛肉にも負けないビジュアルと味を追求するための様々なオードブルたち。見た目が鮮やかで、フォトジェニックで、本当においしいものばかりでしたよ。

次回は、まとめとして、どんな結婚式に仕上がったのか、時系列に振り返っていきます。

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