私事ですが、今年から区内の畑を借りて、野菜を育てています。
さら地になった畑を、スコップやクワなどで耕して、色々な野菜の種をまき、発芽しては喜び、実が付いては喜び、取れたての野菜をその場で洗ってガブリ、で、その美味しさにまた喜びと、都市での畑作業の楽しさを体感しています。
初めての本格的な畑作業は分からないことも多く、そんなときは近くの区画の方に遠慮なく聞いて教えてもらいます。聞いたついでに収穫したばかりの野菜を頂いたり、チャッカリと不在時の水やりをお願いしたりと、同区内の区民農園仲間同士として世代を超えた交流をさせて頂いています。
7月に訪れたパリでも『Le jardin partagé』という、日本の区民農園に似たような場所があることを知り、さっそくのぞいてきました。
Les jardins partagés parisiens(パリ市民の共同農園)
Le jardin partagéは、地域の住民によって、活動的に植物を育てる場所となっています。
地域に開かれたこの場所は、世代や文化を超えた出会いの手助けになっています。
参加住民による運営管理は、学校、定年退職者、病院 など、同区内で異なる生活を送る人たちとの、付き合い(交流)を容易にしています。
(パリ市 HP 抜粋)
と、野菜を育てるということよりも、地域住民の繋がりを目的として作られたもののようです。
ホームページによると、パリ市内にある Le jardin partagé は全部で50以上。道路脇のスペースや公園の片隅を利用して作られていました。それぞれの畑によって大きさや形も様々で、画一的でないところが個人主義の国フランスらしく、日本の整然とされた区民農園とは、また違った雰囲気が感じられますね。
7区の「Jardin Partagé du Square des Missions Etrangères」
Square des Missions Etrangèresという、公園の中にあるので、気軽に見ることが出来ました
14区の「Jardin de Falbala」
訪れた時のパリは最高気温39度にもなる酷暑の日だったので、畑作業をする人はほとんどいなかったのですが、小さい子供連れのマダムがいらっしゃったので、色々とお話をお伺いしてみました。
マダムは近所の高層住宅に住んでいらっしゃるそうで、このようにお子さんと一緒に週に1、2度来られるそうです。
現在育てられているのは、ミニトマトやハーブ類、ラズベリー、ブラックベリーなど。
「あなたももし参加をしたければ、パリ市のホームページを募集しているわ」と、丁寧に教えて下さいました。
お話を伺っている間も、お子さんが小さいジョーロを使って野菜にお水をあげたり、収穫時期のラズベリーを収穫したり(ラズベリー頂きました)と、園芸作業を楽しまれていました。
ブラックベリーがたわわに実っていました
イチゴ、ナスタチウム、フェンネルなどのハーブ類
13区の「Les Jardins Parisiens」
ネギ坊主
野菜だけでなく、お花類も育てている畑が多かったのも、日本の区民農園と少し違っている点です
多くの畑に見られた道具小屋
この日は残念ながら他の住民の方は見られなかったのですが、春の園芸シーズンなどは、おしゃべりなパリジャン&パリジェンヌたちが交流を楽しみながら、作業ををしている風景が想像できますね。
園芸作業を通じての地域住民の繋がり、パリでも園芸療法に近い試みが行われていて嬉しい限りです。