スウェーデン南部のマルメ(Malmö)は、世界178カ国から人々が集まり、人口のおよそ半数を35歳までの世代で占める、国際色豊かで、若い活気に溢れた街。

なかでも、トレンドに敏感な若い世代が多く移り住み、いま、マルメで最も”クール”なエリアとして知られているのが、マルメ南部のMöllen(メラン・Möllevången)です。

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かつては、低所得者層の居住地域でしたが、近年、多様なバックグラウンドを持つ人々が融合する“人種のるつぼ”として、その人気は、うなぎのぼり。

マルメの多くの若者が、住みたい場所として真っ先に選ぶエリアとなっています。

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その多様性とならび、多くの人々を惹きつけるMöllenのもうひとつの魅力は、心地よいゆるさです。

Möllenの憩いの場、フォルケッツ公園(Malmö Folkets Park)では、みんなが、思い思いのスタイルで、マルメの夏をエンジョイ。

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ヒトとヒト、ヒトと緑が、程よい距離感でゆるやかにつながっています。

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そんなフォルケッツ公園の近くでは、2015年7月1日、新たなカフェ「Cafe number 6(カフェ・ナンバーシックス)」がひそかにオープンしました。

穏やかでやさしい佇まいのニコラス・ニルソン(Niklas Nilsson)さんが、切り盛りしています。

ニコラスさんは、このカフェを始めたきっかけを、こう語ってくれました。

僕は、もともと船乗りです。「1ヶ月間、海上で任務につき、帰航したら、1ヶ月間休み」というサイクルで、仕事をしています。休みはもっぱら自宅のあるマルメで過ごしているのですが、正直、暇を持て余すことも多くて。そこで、かねてから趣味だったコーヒーを扱いながら、地元の人たちとふれあえる空間をつくろうと思い、No.6を開業しました。

バリスタと船乗りの“二足のわらじ”を履きこなすオーナーのワークスタイルに合わせ、No.6では、ニコラスさんが海上で勤務している期間はスタッフに任せる、いわば“月替わりバリスタ方式”で、運営していく方針だそうです。

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No.6のコーヒーミルには、見覚えのあるロゴシールがペタリ。

そう、No.6で使用されているコーヒー豆は、以前、ルーミーでも採り上げた地元マルメの焙煎所「Solde Kafferosteri」から調達しています。地元の事業者が商売を通じてつながる、ローカルビジネスならではの光景ですね。

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No.6では、エスプレッソ、カプチーノ、カフェラテといった定番から、ケメックスコーヒーメーカーを使ったこだわりコーヒーまで、ドリンクメニューが充実。注文を受けてから、一杯一杯ていねいに淹れていきます。

コーヒーのことは、世界津々浦々から情報を集め、いろいろ研究しました。日本の喫茶店の様子も、動画でみたことがありますよ。蝶ネクタイをキュっとしめたマイスターらしき男性の、プロフェッショナルな所作が印象に残っています。

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マルメのカフェでは珍しい、アイスコーヒーを提供しているのも、No.6の特徴。3種類のシングルオリジンコーヒーから、好みのものを選べます。キリっと冷えたグラスの中で、コーヒーが豊かに香り、渋みや苦みも少なく、スッキリとした後味です。

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店内は、外から差し込む光が白いタイルに反射し、明るく開放的な雰囲気。モノトーンチェックの床と黒いスツールが、いいアクセントになっていますね。

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Möllenといえば、スウェーデンの一流グルメガイド「White Guide」にも掲載されている「Kaffebaren på Möllan」をはじめ、数多くのカフェが集まる、マルメ有数のカフェ激戦区。

「さぞかし、競争が激しいのでは?」とたずねたところ、ニコラスさんは、笑いながら、こう答えてくれました。

たしかに、このあたりはカフェの多いエリアですが、互いに競い合うというよりも、コミュニティ全体が、“大きな家族”みたいな感じです。同業者間の交流もさかんで、毎月、地元のレストランやカフェ、バーの経営者が集まり、みんなで、わいわい楽しくやっています。

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No.6のオープンから1ヶ月あまり経ち、カフェオーナー兼バリスタとしての生活にも、少しづつ慣れてきたニコラスさん。

忙しくて疲れることもあるけれど、No.6での仕事は楽しい。近所の人たちが、入れ替わり立ち替わりやってきて、何気ない会話を交わし合うのも醍醐味です。

船乗りとバリスタという2つの仕事を交互にこなし、グローバルとローカルを軽やかに行き来する、ニコラスさん。そのユニークなキャリアスタイルは、30分ほど電車に乗れば、コペンハーゲンから世界中にアクセスでき、かつ、ヒトと場所がコンパクトに集まり、街全体が“家族”のような、マルメのありようとも、重なる気がします。

Photographed by Yukiko Matsuoka

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