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夏休みに帰省して久しぶりにご家族に会ったり、懐かしい友人と再会する方もいらっしゃるかもしれません。過去やルーツに触れるそうした時間は、今までを振り返り、自分を見つめ直すきっかけになったりするものです。

きっと誰もが経験するそんな大切な時間を描いているのが、7月11日(土)より、渋谷ユーロスペース他、全国で順次公開されている映画『群青色の、とおり道』です。

監督は『半落ち』や『ツレがうつになりまして』を手掛けた名匠・佐々部清さん。

主人公を演じるのは、「仮面ライダーW」でブレイクして以降、幅広い役柄で映画ファンを魅了する桐山 漣さん。主人公が淡い思いを寄せる同級生のヒロインは杉野希妃さん、主人公の両親に升毅さんと宮崎美子さん、妹役には安田聖愛さん、その他、井上順さん、伊嵜充則さんなど佐々部監督作品には欠かせないキャストが脇を固めます。

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群青色の、とおり道』は、ミュージシャンを目指して上京した主人公・真山佳幸(28歳)が10年ぶりに帰郷し、生まれ育った街で自分を支えてくれていた人々や自分自身と真剣に向きあっていく姿が描かれています。

勘当同然で故郷の群馬県太田市から東京へと飛び出した彼のもとに、父親からある連絡が入ります。夢を叶えられずにいる佳幸は、複雑な思いを抱えながらギターとともに10年ぶりに故郷へ。その彼を待っていたのは、陽気で元気な母、高校生になった妹、工場を営みながらも厳格さの影を潜めた父、そして小学校の音楽教師となった同級生の唯香でした。

「二度と故郷には帰らない」と決めていた佳幸ですが、10年前と変わらずに受け入れてくれる大切な人たちや、自分の演奏を喜んで聞いてくれる地元の方々の暖かな眼差しを感じ、次第に心を開き、彼らと真剣に向き合っていきます。そして10年間未完成だった佳幸の曲は、故郷の人々によって育まれ、完成へと向かっていくのです。

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群青色の、とおり道』製作委員会、太田市

群馬県太田市の合併10周年を記念して企画された『群青色の、とおり道』は群馬県で3月から先行公開され、15週間に渡るロングランを記録。その話題作の公開初日ということで、東京・渋谷ユーロスペースで舞台挨拶が開催されました。

この日登壇したのは、主演の桐山漣さん、主人公の家族・真山家を演じた升毅さん、宮崎美子さん、安田聖愛さん、佐々部清監督の5名。

まず主演の桐山さんが「公開初日にこれだけたくさんの方に集まって頂き嬉しく思います。劇中で家族を演じた4人が揃うこともとても嬉しいです」と挨拶されました。

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続いて、厳格な父親を演じる升さんが

去年の8月に群馬県太田市で撮影が始まった映画が、今年の3月から群馬で先行上映され、ようやく東京にやってまいりました。これからこの映画が全国津々浦々に羽ばたいていけますように

とコメント。

実際に桐山さんと同年代の息子さんがいらっしゃるそうで、

僕は友達付き合いの家族を作りたかったのでこの映画の厳格な父親とは違いますが、家族を作って行くということは同じなので、その辺りを感じながら演じました

とお話されました。

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母親役の宮崎さんは、

撮影から1年経って、久しぶりに真山家4人で再会しましたが、それぞれ大人になったなと思いました。演じていてとてもいい家族でした。故郷に息子が帰って来てくれたことが嬉しい、そんな母親の気持ちをこの映画を通して感じてもらえたら嬉しいです。そして、“家族っていいな”と少しでも伝わったらいいなと思っています

と愛情たっぷりにコメント。

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続いて妹役の安田さん。

撮影が終わって一年経っても、真山家で集まると”まだ家族だな”と思います。桐山さんのことは今もお兄ちゃんと呼んでいます

と仲の良さが分かるお話を。

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最後は、佐々部監督。「1年経って少し大人になった監督です。本当に今日はありがとうございます」とにこやかに挨拶され、会場は笑いに包まれました。

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監督の挨拶の後、主演の桐山さんが主人公を演じた際の気持ちについてお話されました。

僕が演じた真山佳幸はミュージシャン志望ですが、なかなか夢が形にならず上手くいかない。そんな気持ちを抱えながら10年ぶりに故郷に帰るんです。僕は役者でジャンルは違いますが、夢がなかなか形にならないことへの葛藤は痛いほど分かります。何かに向かっている方、夢を持っている方に是非観て頂きたい映画です

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この『群青色の、とおり道』では劇中歌としてback numberの『電車の窓から』が使われています。切ないメロディと主人公の心境に重なる歌詞が心に残るこの歌は、主演の桐山さんにとって重要な1曲になったそうです。

佐々木監督は

主人公は歌えてギターが弾けることが重要でしたので桐山くんに事務所に来てもらって劇中歌の『電車の窓から』を歌ってもらったんです。でも歌のサビに行く前に歌うのを止めてもらったんですよ。『もういいよ』って。主人公は彼にすぐ決めたんです

映画の中で、桐山さんがギターの弾き語りをしているシーンがありますので必見です。

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最後は主演の桐山さんの

群馬の方を始め、たくさんの方の気持ちや愛情で作られた作品です。皆さんの気持ちが一つになると大きなエネルギーを放つ作品になるということをこの映画から感じてもらえたら嬉しいです。観てくださる皆さんと一緒にこの作品を育てていけたらと思っています

という力強いメッセージで舞台挨拶が締めくくられました。

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「今まさに夢を追っている」、「かつて夢を追っていた」など、今置かれている状況はお一人おひとり違うでしょう。映画『群青色の、とおり道』には、今の自分の状況を振り返ったり、考えるきっかけが散りばめられています。

映画を観終わった後、心の中に浮かぶ「大切なもの」は何でしょうか?

それを見つけに、ぜひ劇場へお出かけください。

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群青色の、とおり道
出演:桐山 漣、升 毅、杉野希妃、安田聖愛、伊嵜充則、井上順、宮崎美子、他
監督:佐々部 清
脚本:橋本 剛実、佐々部 清
劇中歌:「電車の窓から」back number(UNIVERSAL SIGMA)
2015年/日本/105分/カラー/DCP/アメリカンビスタサイズ/ステレオ
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Photographed by ©『群青色の、とおり道』製作委員会、太田市/岡本英子(舞台挨拶)

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