アメリカで有数のアートスクールのひとつである、ニューヨーク大学のTisch School of the Arts。映画製作や、脚本家・俳優の育成における優れた教育で知られています。
そのTischの今年の卒業式でスピーチを行った、ニューヨークを代表する俳優であるロバート・デ・ニーロ。彼が、未来のアーティストである卒業生たちに送った言葉がとても胸に響きます。
ロバート・デ・ニーロは、優れた俳優であり、素晴らしい監督でもある。様々な立場として映画の世界で生きてきた彼の、映画製作における情熱、喜び、苦労、皮肉、そして友情や関係者達との関わりの大切さを、多くのジョークを交えて語ります。
映画製作に携わる未来を夢見る卒業生たちは、希望も不安も多くあることでしょう。ロバート・デ・ニーロが送る成功者としての言葉は、そんな彼らに大きな意味を示します。
「多くの学問がある中で映画の道を選んだ君たちは、その才能と情熱に気づいた時点でもうあらがうことはできない。自分の運命を形にするんだ」
そしてTischという名門に通う学生達に対して、こんな言葉も。
「拒絶されることはこれから幾度となくあるだろう。そんな時は、すぐ『次!』常に新しいチャンスがある」
「オールAをとったことがある? それはそれはおめでとう。これからの人生ではオールAをとることなんてない。でもそれでいいのだ。いい時もあれば悪い時もある、でもそれで大丈夫だ。それが実世界というものなのだから」
さらに、監督と俳優の関わり方についても。実は昨年の卒業式では、ロバート・デ・ニーロとともに多くの名作を世に送り出してきた、Tischの卒業生でもあるマーティン・スコセッシ監督がスピーチを。そのスコセッシ監督との信頼の強さが、素晴らしい作品を完成させてきた上でいかに重要だったかを教えてくれます。
「仕事を重ねるにつれて、信頼は更に強まり、互いを頼るようになる。そしてこれが創造的チャレンジの可能性を更に高めてくれる。一人ではないと感じるようになる。私たちが同じ人たちと何度も映画製作の現場に戻るのは、不思議なことじゃないね」
多くの素晴らしいアドバイスの最後には、若い才能である卒業生たちに、彼自身がこの卒業式で祝辞を送れることへの感謝と、そして激励の言葉を捧げています。
「若いクリエイター達の前でこうやってスピーチができることにワクワクするし光栄だよ。そして私の写真と履歴書を未来を担う君たちに見せて仕事のオファーをもらうため、私は今日はここにいるんだ」
「君たちならできる。成功を祈るよ。『次!』」
※本文中の訳は全て筆者cookieheadによる意訳です。