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日本の魅力ってなんだろう?

神宮前のギャラリーショップ「EDIT LIFE」で行われたトークイベント『世界から見た日本、日本から見た世界 〜日本再発見〜』に参加してきました。

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今回のトークゲストは、こちらの3名。日光デザインの木村 顕さん(右)、雑誌『PAPERSKY』編集長のルーカス B.B.さん(中央)、そして、PRとしてルーカスさん、木村さんと共にプロジェクトを運営する、アイハイトの堀内明さん(左)です。

ゲストのみなさんが各自の活動を通じて、どのように日本の魅力と触れ合っているのか。お話をうかがってみましょう。


ツアー参加者と地元の人が交わることで、新しい価値を発見する 〜PAPERSKY Tour de Nipponの場合〜

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ルーカスB.Bさんが編集長をつとめる雑誌『PAPERSKY』は、「地上で読む機内誌」をテーマに、世界や日本の魅力を伝えながら、読者とともにクラブ活動も行っています。

その中で、ルーミーが注目するのは「Tour de Nippon(ツール・ド・ニッポン)」という、自転車に乗って日本の魅力を再発見しようというツアー。これまでに、鳥取、尾道、大分、小豆島、丹波篠山、八戸など、日本全国の地域を訪れてきました。

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小豆島で行われたTour de Nipponの様子 Photographed by KaO

Tour de Nipponでは、自転車で走ること自体を楽しみながら、1日で40kmくらいをゆっくり時間をかけて走っています。サイクリング以外にも、トレッキングをしたり、その土地の人々とフードイベントを開くなど、自転車に慣れない人でも無理なく楽しめるプログラムです。

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Tour de Nipponでは、まずは“ガイド”を探すことを大切にしています。実際に住んでみないとわからない、その地域の特色について知っている人と一緒に行動することで、見過ごしてしまいそうなポイントを押さえながら、貴重な話が聞くことができるんです。(ルーカスさん)

これまでのツアーでは、ガイドと一緒に、昔からある酒蔵や醤油工場を訪れたり、色付けワークショップなど、様々な体験をしてきました。個人の旅ではなかなか行けないようなところに立ち寄れるのも、Tour de Nipponの魅力です。

たとえば、大分での話。大分は「世界農業遺産」に指定されていて、「農家民宿」という一般の農家に泊まる制度があります。Tour de Nipponのチームも農家の自宅にそれぞれ何人かに分かれて泊まり、農家の家で郷土料理や猪や鹿などのジビエを食べたり、宴会をしたそうですよ。

僕たちを受け入れてくれて、その土地を訪れて感じた事を話すことで、地元の人もその地域の魅力を再発見したり、新しい感覚を取り入れているのかな、と思う瞬間があります。それがうれしいですね。(ルーカスさん)

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東京や八戸、伊豆、鹿児島など日本中の地域で開催しているTour de Nipponは、その地域のオリジナルマップを作っています。自転車や散歩で行く旅にピッタリな、ローカルな情報満載の楽しいマップ。PAPERSKYのホームページからもダウンロードすることができますよ!


宿泊を通じて、日本の書院造を体感する 〜NIKKO INNの場合〜

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ルーカスさんに続き、木村顕さんによる「NIKKO INN」についてのお話です。

NIKKO INNは、栃木県の日光にある、伝統的な日本の住宅「書院造」に滞在することをテーマにした宿泊施設です。

ヨーロッパで古いものと新しいものが上手く溶け込んだカルチャーに触れたことをきっかけに、もっと古い建物の良さを見直すような仕事に就きたいと考えた木村さん。

そんな中、大学院で勉強していた「書院造」の建物と日光で出会いました。畳の間から竹が生えているくらい、かなり朽ち果てた状態からのリノベーション。地元の大工さんから協力をあおぎ、三年の月日をかけてNIKKO INNが完成しました。

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書院造は、もともとお客さんをもてなすことにこだわった建物。もし泊まることができたなら、ゆっくりと書院造の建物に触れてもらえるのでは? と思いつき、宿にすることにしました。(木村さん)

「Hello Japan」をキーワードにしたサービスは海外のお客さんからも好評で、さらに3棟、新築の書院造が誕生しました。

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古い建物をリノベーションしていくだけでは、日本独自のスタイルを持つ建物は増えていかないという危惧もありました。

そして、お客さんから「書院造の建物は、今はもう作れないんですよね?」と聞かれることが多かったんです。僕は建築士でもあるし、今でも書院造の建物を作れることを実証するいいチャンスだと思いました。(木村さん)

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書院造という様式には「外の空間を上手く家の中に取り入れる」というコンセプトがあります。新しく建てたNIKKO INNの室内にも、実物大の動物や草花の絵をふすまに描いてあります。

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ただ古いものを再現するだけではなく、ハイテクな要素も取り入れているのが、NIKKO INNの魅力のひとつ。wi-fiが飛んでいたり、天井にスピーカーを入れたり、床暖房にしたり、今の時代にあった快適に過ごせる建物なのです。

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日本の家は台所が北側にあり、寒くて暗いイメージがありますが、NIKKO INNでは、日が入る明るい作りになっています。自炊できる設備も整っており、日光でのんびりと“暮らすように滞在する”のにピッタリ。

日本独自の書院造を体感しながら、のどかな日光の風景が味わえる。海外からのお客さんからの注目度もかなり高いようです。

木村さんは、NIKKO INNで、いろいろな外国の人と触れ合ううちに、世界の朝ご飯が食べられる「WORLD BREAKFAST ALLDAY」を作ることを思いつきます。

WORLD BREAKFAST ALLDAYのお話は以下からお楽しみください。


自分のカラダを動かして、地域の魅力に触れる楽しさ

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最後に堀内さんは、このように話していました。

先日木村さんとルーカスと、日光の外れにあるNIKKO INNから日光東照宮までの30kmを歩きました。Tour de Nipponでは、自転車で地域を回ったり、トレッキングをする。やっぱり自分の体を動かしてその地域に触れることが大切だなと感じています。

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地域との関係を深く築き、人々にその魅力を発信する「Tour de Nippon」と「NIKKO INN」。実際に参加したり宿泊することで、その土地についてどこか必ず新しい発見が生まれるはず。

もっと日本のことが知りたくなる、好奇心が刺激されるトークショーでした。



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ルーミーが参加した『世界から見た日本、日本から見た世界 〜日本再発見〜』は、地方都市でまちづくりに尽力しているキーパーソンを招いたトークショーやウェブインタビューを展開する〈MAKERS MAKE A CITY ものづくり、まちづくり〉という企画のひとつです。

次回は7月9日、ライフハッカー[日本版]の米田編集長と京都・福岡の移住計画の方によるトークショーが行なわれます。詳細はこちらよりご確認ください。

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