ドイツ、カールスルーエは生誕300周年を記念して、様々な催しが開催されているようです。街に美術作品も展示され、そんな中、事件が起きてしまいました。

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Erwin Wurms “Truck” in Karlsruhe. (Foto: ZKM)

オーストリアのアーティスト、Erwin Wurmさんの「トラック」という作品。身の回りにあるものを違った視点で見てみる、ということをテーマに、彼は様々なものを湾曲させたり、形を少し変えて展示する作品を作っています。 しかし警察官の方々は、どうやら視点を変えることができなかったようです。

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Erwin Wurms “Truck” in Karlsruhe. (Foto: ZKM)

そうなんです。この作品、形は変われど、もちろん本物の車を路上に展示していたので、いや駐車していたので、なんと駐車違反の張り紙が貼られてしまいました! そう、ドイツは街の駐車違反の取締りがとても厳しい国。駐車違反では張り紙が貼られ、約30ユーロ(約4200円)の罰金となります。もちろんこれは300周年を記念して行われた催しの一つですが、警察への届け出がなされていたのか、行き届いていなかったのか、警察官はしっかりと仕事をしていきました。

市長はこの後、アーティストのWurmさんのために警察へ抗議と、許可申請を改めて出したそうですが、インタビューではこう答えていました。
直ちに警察官を現代美術館に行かせる必要があるかもしれないね

南ドイツ紙など、国内では様々なメディアで取り上げられ、市長を含め街ではちょっとした笑い話に。インスタレーション作品とは周りの人を巻き込んで一つの作品。これもまたインスタレーション作品の一つの形かもしれませんね。

Zentrum für Kunst und Medientechnologie
(今回の記事執筆にあたり、写真掲載の許可を美術館から直接頂いています。)

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