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212キッチンストアでは、接客が好き、お料理が好き、キッチングッズが好きというスタッフが働いています。

働く理由は一人一人違いますが、ひとつ共通しているのは、接客や料理を通じて生まれる「笑顔」が好きということ。そんなスタッフが思い入れのあるレシピを、エピソードと一緒に紹介します。

第十二回目は、212キッチンストア・金沢フォーラス店 新村 正代 よりお送りします。

私の父は苦手な食べ物が多い。

小さい頃は気付かなかったが、母は父の苦手な食べ物をほとんど食卓に並べなかった。

父は野菜があまり得意ではなく、中でも白菜やなす、ねぎが苦手で、うちのすき焼きの野菜の主役はほうれんそうだった。

それが当たり前だったし、おいしいと思っていたので、すき焼きや鍋には白菜を使うことが多いらしいことがだんだんわかってきたときは、今まで気に留めていなかった白菜の存在に気付かされた気分だった。

なすのおいしさを知ったのも一人暮らしを始めてからだった。

カレーも父に合わせて辛くはしない。私と母は辛口派だが、父は辛い物を食べると滝のように汗をかく。辛さを抑えても汗は出てきてしまうので、父はカレーを食べるときは頭にタオルをはちまきの様に巻いて食べている。

そばよりもうどんが良く出てきたし、夏はそうめんではなく冷麦。これも父の好みだ。

でも母はすべて父中心で料理をするわけではなく、私が好きな物もしっかり覚えてくれている。

私が実家に帰る連絡をすると必ず「何か食べたいものある?」と聞いてくる。

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餃子やコロッケ、おでんなどだいたい一人では作ったり食べたりしないものをリクエストしておくが、それに添えてくれるのが金時豆だ。

私は豆が大好きで、特に母が煮てくれる甘い金時豆が大好物だった。

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豆には当たりはずれがあるらしく、「今日はふっくらとうまくできた!」という日と、「今日のお豆はかたかった……」という時があるが、私はかための金時豆も歯ごたえがあって好きだ。

食べるのが遅い私が、最後の締めに食べだすと箸が止まらず、どんどん片付けが進む中、金時豆と私の箸だけが残り、しばらく食べ続ける光景がいつものパターンだ。

父は甘いものはとことん甘いほうが好みだ。私にはちょうど良い甘さの母の金時豆では物足りないらしい。でも金時豆だけは私好みの甘さ控えめで作ってくれる。その代わり、おはぎやおしるこは父好みのしびれる甘さだ。

私が働くようになってから、たまに休みの日に母と二人で買い物に出かけるようになった。お昼ご飯を食べるときは私にお店を選ばせてくれるのだが、それが母には楽しみなようだった。

パスタや韓国料理、カレー屋さんに入ると決まって「お父さんとじゃこんなお店に来られないわ…」と言っていつも嬉しそうにしている。父はおしゃれだったり少し変わった食べ物だと食べた気がしないらしい。

でも母はそんな父への不満を一切言ったことがないし、父もたまに自分の苦手な食べ物が出てきても何も言わずに食べる。

最近は実家で一緒にご飯を食べていると、「こんなにうまいご飯を一人で食べていていいのかって思うんだよ」「3食作ってもらって本当にありがたいよ」としみじみとつぶやいている。それを聞いて母は隣で笑っている。

その二人を見ているとほっとした気分になり、自分の親ながらいい夫婦だなと思ってしまうのだ。

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「金時豆の甘煮」

【材料】(4~6人前)
・金時豆 250g
・砂糖 150g
・塩 ひとつまみ



【作り方】
1. 金時豆は水で洗い、水カップ5~6に一晩つけて戻す

2. つけ汁ごと強火にかけて、沸騰したらゆで汁を捨て、ざるにあける

3. 鍋に戻したっぷりかぶるくらい水を加え強火にかける。煮立ったら弱火にして、指でつぶれる程度に柔らかくなるまで30分~1時間ほど煮る
*途中で煮汁が少なくなってきたら、常にたっぷり水がかぶるくらいに差し水をする

4. 柔らかくなったらゆで汁を豆がひたひたになる程度に捨て、塩、砂糖を半量加え15分ほど煮る

5. さらに残りの砂糖を加え15分ほど煮て火を止める。そのまま冷まし味を含ませる

これまでの想い出レシピはこちらから。
[212 KITCHEN STORE]

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