以前ルーミーの記事でご紹介した日本国外最大の日本映画祭、ドイツ・フランクフルトで6日間に渡って開催された「第15回Nippon Connection」が終了しました。

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まず一番にお伝えしたいことは、とても大盛況だったということ。初日のメイン会場前には、チケットを求める人が長い列を成していました。

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メイン会場、中の様子。上映前には、歩くのも大変なほどの混雑でした。

ドイツはもちろん、欧州やその他の国からも大勢の人がこのイベントに集まり、パッと見たところでは7:3ぐらいで、はるかに外国人の来場者が多い様子。

このイベントは、日本映画や日本文化に特化した映画祭なので、映画通に加えて、日本が好きな人、興味のある人、日本語を勉強している人たちが大勢来ているよう。日本人として、とても光栄でした。

日本からの紹介ではなく、元々ドイツ人によって始まったイベントであることが関係しているのかもしれませんね。



初日、主催者や後援者の挨拶に続いて、オープニング作品『私の男』から2015年のニッポンコネクションがスタート。ここで、ニッポン名誉賞を受けとる予定だった浅野忠信さんは、体調を崩して来場されなかったのですが、貴重なビデオメッセージが公開されました。

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ご自分のスマートフォンで撮影されたと思われるビデオでした! 浅野さんの登場を楽しみに来場していた観客も、辛そうながらもありのままのビデオメッセージに癒されたようで、温かい笑い声に包まれていました。

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『私の男』はイベント皮切りにふさわしい、すごい作品でした。

個人的な感想を言ってしまうと、実は、全体を通して観ている間は嫌悪感に近いものを感じていたのですが、観終わった後に思い返す『私の男』は、なぜか柔らかくて温かいものだったのです。あれだけ激しい描写で、こんな温かいものが残る。不思議な気持ちで、熊切和嘉監督ご本人が、上映前に話された「一つの愛の形」という言葉を思い出していました。



ニッポンコネクションで上映される映画は、主に前年度に制作、または上映された作品から選ばれます。

今回、私は自主制作映画、アニメーション映画を含め、全部で18本の映画を鑑賞することができました。ずっしりと重いものを感じたり、爽快に笑えたりと素晴らしい作品ばかりで感情の激しい1週間を過ごしました。映画の内容は既に観ていらっしゃる方も、これから観る方もいらっしゃると思いますので、ここからは上映会の様子を。


全ての上映は、ニッポンコネクションスタッフの短い挨拶で始まるのですが、実はこの挨拶をするスタッフが作品を選んだ人物です。数あるたくさんの日本映画から、日本人ではない彼らが、どんな映画をどんな風に魅了されて選んだのか、を聞くのも面白い体験でした。

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中には、「僕がここに立ってるということは、バイオレンスな映画だと思っている人もいるでしょうが」なんて前置きがあった人もいたので、もしかしたらイベント玄人になると、観る作品を、選んだ人で決めているなんて方もいるかもしれません。

イベントには、熊切監督をはじめとした、たくさんの監督達も参加し、作品上映後には、贅沢に質疑応答タイムが設けられた作品も多かったです。

映画監督は気難しくて怖い…というイメージもありましたが、みなさん、とてもフランクにユーモアたっぷりに話してくださり、一瞬で大ファンになってしまいました。私は、過去の監督作品もさかのぼって観てみよう、と心に決めたほど。

今回の上映作品『歌舞伎町 ラブホテル』『甥の一生』の監督である、廣木隆一監督。お茶目でとてもステキな監督でした。

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質疑応答タイムで発覚したのですが、なんでも、『甥の一生』のあの“足キス”シーンは、なんと監督ご自身のフェティッシュを取り入れたのだとか!



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ドイツでも大人気の女優・安藤さくらさん。今回は『100円の恋』と『0.5ミリ』が上映されました。彼女のトークショーには100人以上が押し寄せたそうです。

映画やいくつかのワークショップは、チケットを買う必要がありますが、監督や俳優によって行われるトークショーはなぜか入場無料。こんな有名な人たちを近くで見て、生の声を聞いて、質問をして、という贅沢な空間に自由に参加できるのは、本当にすごいことです。

上映作品は、全てに英語(一部ドイツ語)の字幕がついているので、こんな風に訳されているのか、なんて思ったり、言葉遊びが面白い作品なんかは「あーこの面白さ伝わってるのかしら」とソワソワしながら観ることも。

作品上映後に拍手が起こることが多く、その映画を観て受けた感情を、みんなでシェアできる感覚はとても嬉しいものでした。

メイン会場上映、NIPPON CINEMAカテゴリーの受賞作品は、1位:太秦ライムライト 2位:甥の一生  3位:100円の恋でした。

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観ていない方はぜひ観てみてください。

小さな会場で上映されるNIPPON VISIONカテゴリーやNIPPON ANIMATIONカテゴリーでも、作品によっては脇の階段に座って観る人も出るほどの大盛況ぶり。

NIPPON VISIONのオーディエンスアワードは、1位:-1287 2位:小さき声のカノン-選択する人々 3位:夢は牛のお医者さんという結果でした。



映画祭とは言うものの、映画関係のワークショップに加え、日本文化の催し物もたくさんあります。両手ではとても収まりきれないほどなので、ザッと紹介させていただきます。

アニメ講座 The Coming of “Anime”

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子供向けアニメーションワークショップ。自分たちが紙に書いたキャラクターが、映像の中で生きるのを観ているところです。

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日本酒ワークショップ

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三線のワークショップは、実際に楽器に触ってのワークショップでした。

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他にも、映画翻訳ワークショップやコンサート、ゲームセンター。妖怪ウォッチのキャラ弁当作り教室に、赤ちゃんの指圧教室などなど。

6つの会場で映画上映も含め、さまざまな催しが同時に行われるので、1日中精力的に歩き回っても制覇することは不可能な規模のイベントでした。どの会場も興味津々に集まって来る人を大勢見て、こちらもさらに楽しい気分になるのでした。

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腹ごしらえは、ラーメンに日本スタイルのカレー、牛丼やお寿司、みたらし団子まで。日本のお弁当屋さんのお弁当やおにぎり、メロンパンなども出ていて、あっという間に売り切れになってしまうものもありました。ドイツでは飲めないフローズンビールは大人気でした。

ニッポンコネクションは、今回で15回目を迎えましたが、最終日の挨拶ではたくさんの方が「回を重ねるごとに規模だけでなく、質が高くなり、グッと深みが増したイベントになってきた」と仰っていました。

日本の外で、日本の映画を観て、日本の文化に触れて。外国人の視線を通すからこそ、見えてくるものもあります。

これから、もっともっとどんな深みを見せてくれるのか、楽しみです。

[Nippon Connection]

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