吉野杉とガラス、そして、陶器。
個性的なそれぞれを見事に融合させ、その素晴らしさを堪能することができるお猪口と徳利があるんです。
古来から私たちの生活の中に寄り添ってきた「杉」。
でも、近年は、生活家具として使われることは少なくなってきたのだそう。
そんな杉をもっと身近に。
インテリア雑貨、ステーショナリー、家電などを中心に国内外の企業のプロジェクトに携わる、Doogdesign.の代表でプロダクトデザイナーの小池和也さんがデザインしたのが、吉野杉のお猪口とガラスと陶器の徳利「YOSHINO」。
「YOSHINO」をデザインした背景には、こんな想いが。
日本の杉の学名はCryptomeria japonica。「隠れた日本の財産」という意味で、他の地域のCedarとは種が異なり、実は日本の杉は固有種でもある。 日本では先史時代から杉を生活の中に取り入れ、生活の道具だけではなく、食器、家具、建具、仏具に至るまで幅広く浸透していました。 その杉の中でも吉野杉は密度が高く酒樽にも使われる高級木材。 植林の密度を極端に多くし、木材の年輪幅が狭く密度が高くしているため、材になるまでの生育に時間がかかります。
しかし20世紀の中頃から一般人の生活も西洋化が加速し生活道具のとしては使われなくなっていきました。1980年頃からは、建材としても輸入材に押され、植林が放置され荒れた果てた山も少なくありません。
このお猪口と徳利は、その吉野杉を五感で楽しむために作ったもの。
熱燗用には陶器の徳利を。
冷酒用にはガラスの徳利を。
円錐台の形状は下から杉の木を見上げた様子にちなんでいるそう。そして、お猪口に酒を注ぐと吉野杉の上品な香りが漂うのだとか。
「YOSHINO」は、大阪で開催された一大アート・デザインイベント「ツムテンカク」のために制作されたプロトタイプです。
私たち日本の隠れた財産である「杉」の恵みを堪能しながら、お酒をいただく。
これは贅沢な時間が過ごせそうだ!