ニューヨークのチェルシー地区にあるギャラリー David Zwirner で行われている、草間彌生の新しい展示、”Give Me Love“。
今回の展示は、3つの部分から成り立っています。カラフルなカボチャのオブジェクト、多くの色の交錯が見られる絵画、そしてもう一つは、観覧に来た人たちでドットを足していくことが出来る参加型のアートを提供する部屋。色、カボチャ、そしてドットと、どれも草間彌生を代表する要素であり、それらが全て楽しめます。
今回特に注目すべきはドットの部屋。
アメリカの典型的なおうちをデザインした建物の中に入っていきます。
その際に渡される、水玉のステッカー。
本来は真っ白だった壁や家具に、おのおのが好きなように、ステッカーをぺたぺた貼っていくという新しいスタイル。
こちらはギャラリーが提供してくれた、スタート時からの経過を追った写真。
それが、私が出向いた時には更に色に埋もれていました。
真っ白だった部屋にカラフルなドットが多くの人の手によって加えられていき、次第にそのドットは重なり合い、今度は色がどんどんブレンドしていきます。何度も足を運んで、変化を見てみたいと思わせる内容です。
その他の展示について。
まずはかぼちゃ。カラフルなドットだったり、穴空きだったりと、それぞれが個性を持つ。そして全て鏡のような仕上がりになっており、自分たちの姿が映り込むことにより、その人の視点によって毎回異なる姿を見せます。
絵画も盛りだくさんでした。色の数々が白い壁に浮かび上がる。そして、全体のプロポーションと描かれているディテール、それぞれに注目すると、一見のカラフルな世界とは別の、作品の複雑さを感じます。
ニューヨークで過ごした時期も長い草間彌生。精神状態が不安定な期間も多かったと言われています。しかし、一人の女性アーティストとして今も挑戦し続け、ニューヨーカー達を楽しませている姿は、彼女の人生の深さを感じます。
ちなみにどのくらいニューヨーカーに愛されているかというと。
このくらいです。平日のお昼前に出向いてもこの行列で、入場まで30分ほど待ちました。
“Give Me Love”は、6月13日まで開催されています。