スウェーデン南部の、エルムフルト(Älmhult)という町には、世界最大級の家具・雑貨チェーン、イケアの主要施設が集まっており、そこは通称“イケアタウン”と呼ばれています。
今回ルーミーでは、イケアからオファーがあり、この“イケアタウン”を訪れました。
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“イケアタウン”にある「IKEA of Sweden」は、1年間に約2000点もの商品を生み出す、イケアの商品開発拠点。
このオフィスには、それぞれのインスピレーションを刺激し、創造性を発揮しやすい、オープンでフラットな空間づくりへの工夫が施されています。
エントランスは、天井が高く、明るくて開放的な、吹き抜け構造。螺旋階段が2階へとつながっています。
螺旋階段のそばには、イケアの関係者であれば誰でも利用できる、カフェのようなオープンスペースを併設。
カジュアルなミーティングや、小グループでの共同作業などに、利用されています。
IKEA of Swedenのアイコン的存在ともなりつつあるのが、この建物の中心にある、巨大な階段広場。
1階から2階へとつながる階段を、単なる移動ルートとしてだけでなく、同じオフィスで働く仲間たちが気軽に集まることのできる“たまり場”にしました。
この階段広場を囲むように、試作品の開発に取り組む工房やプロジェクトルームを配置。
デザイナー、技術者、ビジネスプランナーなど、様々な専門分野に通じる人材が、この空間を通って、それぞれの仕事場を出入りするうちに、他のプロジェクトのメンバーとも、自然と顔を合わせ、言葉を交わす機会が増えていきます。
グリーン、グレーなど、色とりどりの大きなクッションがランダムに置かれたステップでは、ラップトップPCを持ち込んで仕事したり、コーヒーやお茶で一服したり…。
なんとなくその場に居合わせた人たちで“井戸端会議”がはじまり、フラットにやりとりされる、新たな視点やちょっとしたアイデアが、課題解決のヒントになったり、イノベーションのきっかけになることもあるのだそうです。
喫煙ルームや給湯室など、日本のオフィスにも、インフォーマルに人々が集まる場所はいくつかありますが、階段という動線を“たまり場”に転用するというアイデアは、ドアの製造技術「ボードオンフレーム」を天板に応用したテーブル「LACK」にも通じる、イケアらしい“発想の転換”から生まれたオフィスのかたちといえるでしょう。
ルーミーでは、“イケアタウン”以外にも、ストックホルムやマルメなど、スウェーデンの都市についても紹介していくのでお楽しみに。
Sweden Trip Diary
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Photographed by Magnus Glans, Aya Nakashima and Yukiko Matsuoka
Illustrated by Yurie Sato and Mai Kurosaka