スウェーデン南部の、エルムフルト(Älmhult)という町には、世界最大級の家具・雑貨チェーン、イケアの主要施設が集まっており、そこは通称“イケアタウン”と呼ばれています。
ルーミーでは、イケアからオファーがあり、この“イケアタウン”を訪れました。今回はこの町にある「イケア・テストラボ(IKEA Test Laboratory)」についてご紹介します。
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およそ9,500種類にのぼるイケアの商品は、すべて厳しい品質検査を経て、私たちのもとに届けられています。
この重要な役割を担っているのが「イケア・テストラボ」。1年間に、約11,000点もの製品が、検査されています。
品質管理マネジャー(Quality Assurance Manager)のステファン・バッティルソン(Stefan Bertilsson)さんは、この施設で行われる品質検査について、次のように説明してくれました。
新商品はもちろん、既存商品の仕様変更・改変・修正も含め、イケアの商品はすべて、ここで検査を受け、定められた基準をクリアしなければなりません。
検査基準はスウェーデンをはじめ各国の公的基準をふまえた上で、イケア独自に、より厳しいレベルが設定されています。
イケア・テストラボは、木材・金属・テキスタイルなど、様々な素材に対応し、強度や耐久性、耐火性、腐食、紫外線(UV)耐性など、あらゆる検査がワンストップで実施できるのが特徴です。
また、「実際、ユーザーに、どのように使われるか?」を想定した上で、検査方法が設定されています。
たとえば、ソファは座ったときの衝撃なども考慮し、背もたれには40キロ、座面には120キロの負荷をかけて、耐久性を検査。
ベビーベッドは、子どもが飛び跳ねることを前提に、25キロの重りを使ってそれぞれ1000回づつ、床面5カ所を打ち続けます。
映画『スター・ウォーズ』シリーズに登場する宇宙要塞「デス・スター(Death Star)」に似た開閉式の照明「IKEA PS 2014 Pendant lamp」では、開閉テストを実施。
開閉回数を自動でカウントし、8万回に達するまで、開閉を繰り返します。
4段の検査棚に電球が整然と並ぶ、電球の検査エリアでは、それぞれの電球を対象に「2時間45分にわたって点灯させた後、15分間、消灯する」というルーチンを、定められた寿命に達するまで繰り返します。
バッティルソンさんが「誰か、ここに入ってみるかい?」と、冗談めかして紹介してくれた、球体の検査設備は、電球の輝度と色を測定するもの。
この丸い空間の中で、電球がどのように検査されているのか、実際にこの球体の中に入って、見てみたいかも?!
このように、イケア・テストラボで日夜行われている、地道な品質検査のおかげで、私たちはイケアの商品を安全に使い、便利で心地よい生活を過ごすことができているわけです。
ルーミーでは、“イケアタウン”以外にも、ストックホルムやマルメなど、スウェーデンの都市についても紹介していくのでお楽しみに。
Sweden Trip Diary
#ストックホルム
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Photographed by Magnus Glans and Aya Nakashima
Illustrated by Yurie Sato and Mai Kurosaka