こんにちは。DIYウェディング協会の藪内です。

牧場でのDIYウェディングプロジェクトに密着するシリーズの第三回目。結婚式本番までの制作過程をレポートしています。

Vol.1:平井さん夫妻と牧場DIYウェディング
Vol.2:ブランディング(ネーミング、ロゴマーク、テーマカラー、ホームページ)


主役である平井さん夫妻が、友人と考えたネーミングは「Tane x hana wedd.(タネ・ハナ ウェディング)」。今回は、本番において基盤となり、大きな見所の一つでもある「建築」に密着します。

3人組の若手建築チーム「8108」

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建築を担当したのは、建築チーム「8108(ヤジュウハ)」のみなさん。「8108」とはフランスで起こった絵画運動の「野獣派(Fauvisme)」からきています。

メンバーは東裕さん(左)、桶川容子さん(中央)、中野達文さん(右)の3名で、それぞれ都内の建築事務所で活躍されています。感覚を大事にしながら、建築だけにとらわれず空間全体をデザインの対象物として捉えて活動する、ユニークなトリオです。

東さんが新郎の龍之進さんと建築事務所の同期であり、公私共に繋がりの深く、今回のプロジェクトに参加することになりました。

野外でのDIYウェディングにおいて、会場構成はキーとなるプロジェクトです。どのような構想で進めているのか、8108のみなさんにお話をうかがいました。


会場のコンセプトは「2つのリング」

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ー会場を設計するにあたり、どんなコンセプトがありましたか?

結婚式に欠かせないものといえば、新郎新婦が交わす2つの「リング」ですよね。

空間構成は2つのリングを、麦畑とガーデンそれぞれに配置し、互いをタンポポでいっぱいの小道がつなぐように計画しました。

牧場という豊かなランドスケープのなかに、シンプルな形状である2つのリングを“足し算”と“引き算”で落とし込めたらいいなと思いました。

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セレモニーの完成予想図

まずは引き算。胸の上まで伸びた麦畑の中に、大きな穴をあけます。麦畑をミステリーサークルのように引き算して生まれるリングは、2人の愛を誓う場所となります。

背高く伸びた麦畑にぽっかり生まれた丸い空間。そこから見上げる空と山々は、この牧場でしか作り出せない秘密の場所になります。

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初期段階でのパビリオン完成予想図

もうひとつは、足し算から生まれるリング。麦畑のサークルと同じで直径11m、高さ3mのリングをガーデンに作ります。その中では食事が並べられて、みんなが集まる賑やかな場所となったり、ライブミュージックなどパーティーを盛り上げるイベントが行われる予定です。


構造家と話し合い、イメージを具体案に落としていく

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会場である牧場を下見して、緻密に採寸を行う

ー計画を進めていく上で壁にぶつかることはありましたか?

当初は施工も自分たちでやろうと考えていました。しかし、3人という少人数だとやれることに限界があり、元々のアイデアから遠ざかっていくのを感じていました。

そんな中、仕事で付き合いがあった山形の木造エキスパート集団「シェルター」に相談し、幸運なことに強力なバックアップをうけることができました。

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施工チーム「シェルター」とのミーティング

ーどのようにして最終的な案が出来上がりましたか?

知人の構造家に見せてアドバイスをもらいながら、コンセプトをスケッチしたり、イメージに合う写真や事例を探しながら少しづつ案を具体的にしていきました。

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最終的に形が決まった後は、建築チームのデザインを元に「シェルター」のみなさんと話し合い、部材の量、プレカットの形状、施工方法、輸送方法などをなんとか予算内で効率よくつくる方法を導きだすことができました。いろんな方の意見が詰まって出来上がったものですね。

ー完成が楽しみです。ありがとうございました。

次回は本番直前の施行の様子、そして5月末に行われた本番の完成までの様子をお伝えしていきます。お楽しみに!

平井さん夫妻と仲間たちによるDIYウェディングのバックバンバーはこちらから。

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