鎌倉からアフリカへ。そして世界や日本を旅し、ついにはアメリカのオバマ大統領の手元にも届いた世界を旅するデザイン。
デザインユニットのKULUSKAが手がけたレザースリッパは「世界を旅する」特別なスリッパです。
ある日、ケニアにあるFabLabからFabLab鎌倉に1通のメールが届きました。
現地の人々の仕事を創出するために、現地で手に入る革を使ったプロダクトを作りたい。そこで、KULUSKAがデザインした、レーザーカッターと手縫いで作るレザースリッパの展開図をクリエイティブ・コモンズ・ライセンス(CCライセンス)で提供してもらえないか
ケニアの人たちの役に立つなら、と快くデザインデータを提供したKULUSKAの藤本直紀さんと藤本あやさん。
すると、ケニアの人たちはスリッパのデータを改変してオリジナルの彫刻を施したり、フリーソフトで現地の人が自由にサンダルのデザインを改変できる仕組みもつくり出しました。
デザインのデータにCCライセンス付与したことで、ケニアの人々が自由にものづくりをする機会につながったレザースリッパ。そして「世界を旅するデザイン」の話は続きます。
ケニアのFabLabメンバーらが、オバマ大統領の祖母、サラ・オバマにレザースリッパをプレゼント、スリッパの表にはオバマ大統領の顔が彫刻されていました。
そして2014年にホワイトハウスで開催された「White House Maker Faire」では、サラおばさんの顔がレーザー刻印されたKULUSKAのレザースリッパがオバマ大統領に届けられたのでした。
そこでKULUSKAは「旅するデザインーOpen Design Project」としてデザインデータをシェアし、ふたりが日本中を旅しながらワークショップを開催するプロジェクトをスタート。鎌倉から始まり、仙台、広島、岡山、岐阜などさまざまな場所を訪れワークショップを開催しました。
KULUSKAがデザインしたスリッパは、誰でも自分のアイデアやクリエイティビティを加えることができ、さらにものづくりを体験できる優れたデザインの「型」です。
地域にある素材と地域のアイデアを生かしながら、共創する新しいものづくりのカタチが有機的に生まれていくのです。
現在、loftwork.comの「Make it Yourself」プロジェクトではKULUSKAのレザースリッパをアレンジするデザインコンテストを開催しています。
受賞者10名には、応募作品のデータに基づいてレーザー/プリント加工済みのレザースリッパ作成キット(ひとつは必ず大切な人にプレゼントしてくださいという想いを込めて)2足分が提供されます。
さらに、FabCafe Tokyoではイベントと作品展を開催予定。あなたも「新しいものづくり」に参加してみませんか?