東京都台東区蔵前にある「カキモリ」。
以前、roomieのコチラの記事でもご紹介した「たのしく、書く人。のための文具店」です。
実は私が通っていたお香の学校が蔵前にあって、よくお店の前を通っていたので、ずっと気になっていました。なぜなら、ガラス張りのショーウィンドー越しにとってもかっこいい製本機が見えて、それでノートを作っているのを見たからなんです。
「私もオリジナルのノートを作ってみたい!」ということで今回、「カキモリ」にお邪魔しました。
店内に入ると目を奪われるのが、棚一面にずら~っと並んだ用紙たち。表紙は常時60種類、中紙は30種類もあるそうです。
まず、このトレーを持って表紙を選びます。
色も、柄もたくさんありますし、素材もレザー、リネン、紙、PPなどバリエーション豊富なので、「これもカワイイ!」、「こっちもオシャレ!」と迷ってしまいます。
表紙のサイズは、2種類。大学ノートサイズの「B5」と、「B5」の半分サイズで持ち運びに最適な「B6」。それぞれタテ型にするか、ヨコ型にするか決めます。
スタッフの方から「表紙を決めるのに時間をかけるお客様がとても多いので、納得するまでゆっくりご覧ください! 裏表紙も忘れずに選んでくださいね」と優しいお言葉をかけて頂きました。
続いて、中紙を選びます。こちらが中紙コーナー。ずらり30種類!
「なのはな」、「あじさい」など日本のお花を名前にしたカラフルな紙がたくさんあります。
万年筆に合う「フールス紙」、柔らかな鉛筆での喰い付きが良いざらざらの「コミック紙」、写真やカードを貼るのに適した「クラフト紙」など、色々な種類の紙の中から、お好きなものを2パックから4パックまで選びます。
こちらは試し書きコーナー。
書き心地を確かめながら中紙を選べるのはとても親切ですよね。
書道を習っている私は筆ペンで禅語を書くのを日課にしているので、今回はそのためのノートを作ろうと思っていました。スタッフの方に用途を伝えると筆ペンを持って来てくださったので、気になる紙に試し書きを。
インクのにじみ方、書き心地、筆運びの滑らかさなど、好みのイメージに合った紙を選んでいきます。種類の異なる紙を組み合わせてもOKなので納得して中紙を決める事ができました。
そして選んだ表紙と中紙がこちら。
表紙は一目惚れした、色鮮やかなドット柄が印象的なデザインに。筆ペンでノビノビ書けるように、サイズはB5のヨコ型にしました。そして、裏表紙は淡いイエローに。
中紙は、高級ノートや便箋に使われている「フールス紙」、片面に艶があり、もう片面がザラザラしている「ハトロン紙」、インクの吸い込みが心地良い「和紙」の3種類を組み合わせることにしました。
続いて、表紙と中紙を綴じるリングを選びます。色は金、銀、銅、黒、白の5色。どの位置にリングを留めるかも決めていきます。私は表紙の色に合わせて金に。また、書く時にリングが手にあたりにくい「上下留め」にしました。
最後に留め具を「ゴム」、「ボタン」、「封緘(ふうかん)」の3種類から選びます。
ゴム留めは13色から、封緘留めは8色の革、7色の紐から、ボタン留めは8色から選びます。私は濃紺の封緘留め、紐は赤にしました。
ここまで選んだらスタッフの方に部材をお渡しして、いよいよ製本です!
これが製本機。ぱっと見タイプライターみたいな形をしています。私がお店の外から眺めていた機械が目の前にあってワクワクしました。
まず最初に、表紙にリングを入れるための穴を開けていきます。スタッフの方が手で触っているシルバーの金具を調整して穴を開けます。穴を開ける部分は金具を奥に押し込むのだそう。
上下留めなので、こんな感じで穴が開きました。
裏表紙と、中紙にも「ガッチャン!ガッチャン!」と次々に穴をあけていきます。
続いて、表紙と中紙をリング留め。製本機の手前にリングの部材をセットして留めていきます。
リングが留りました。
そして、リング留めしたノートにトントントン!と封緘留めをして…。
紐もつけて、
完成!!
表紙も、中の紙も、留め具も全部自分好みで決めたオリジナルノート。大満足の仕上がりで、とってもうれしいです。
ノートを使い終わったら、表紙はそのままに中紙だけを交換することができるんです。もちろん中紙は前回とは違うものを選んでもOK! 使い終わったノート用の綴じ紐もあるので、書き溜めた思い出を大切にとっておくことができるので安心です。
表紙には箔押しで名前を入れることもできます(仕上がりは約3週間かかります)。プレゼントしても喜ばれそうですね。
日記を書いたり、絵本を作ってみたり、アイデアを書きとめたり、お料理のレシピをまとめてみたり、旅の思い出を綴ってみたり。自分好みにオーダーした世界にたった1冊のノートだからこそ残したくなることが、きっと出てくると思います。
既製品のノートとは全く違った「カキモリ」のオーダーノート。心が潤う大切な1冊になりますよ。
1冊あたりの価格は、表紙+中紙+製本200円(+留め具代)=800円から。
※待ち時間は工房の混み具合によります。
所在地:東京都台東区蔵前4-20-12
最寄駅:都営浅草線・都営大江戸線「蔵前」駅下車 徒歩約3分
営業時間:12:00~19:00
定休日:月曜日(祝祭日の場合はopen)
電話:03-3864-3898
Photographed by Eico Okamoto