こんにちは。DIYウェディング協会の薮内です。
DIYウェディングプロジェクトに密着するシリーズの第二回目。5月の結婚式本番に向けて、その過程をレポートしています。
今回は、DIYウェディングをプランするうえで一番最初に考えること「ブランディング」についてみていきます。
「DIYウェディング」とは、新郎新婦やその家族、友人たちで手作りする結婚式のこと。ルーミーで密着しているのは、ルーミーのメンバーである平井さん夫妻とその仲間たちと作り上げる牧場でのDIYウェディングです。
本プロジェクトの詳細は第一回目をご覧ください。
DIYウェディングの魅力というのは、新郎新婦もゲストも家族も自然な笑顔になれること。堅苦しくない雰囲気で、全員が楽しめるウェディング。「これってふたりらしいね!」と思わせることが出来たら大成功です。
その成功に向けて、どのようにブランディングをするか、初期段階でアイディアを固めてプランすることが重要になってきます。
つまりは、どんな結婚式にしたいのか。なにを伝えていきたいのか。
ブランディングのツールとして、ネーミング、ロゴマーク、テーマカラー、ホームページを作ること、考えることをオススメしています。
今回のプロジェクトでは、主役の平井さん夫妻が中心となり、建築、フード、衣装、ミュージックなど、多方面で活躍する友人たちのチカラを結集して、仲間と一緒に結婚式を作っています。
その中で、ロゴマークやネーミングなど、全体のブランディングを担当したのが、龍之進さんの友人でデザイナーの名越敬真さんです。
平井さん夫妻がどんなブランディングを行っているか。ネーミング、ロゴマーク、テーマカラー、ホームページを通じてみていきます。
ネーミング
このウェディングのネーミングとして、名越さんが考えたのが「Tane x hana wedd.(タネ・ハナ ウェディング)」
種を蒔いて花が咲く。生まれてから今まで、そしてこれからも続いていくという意味が込められています。
平井さん夫妻が「結婚式を自分たちで作ろう」と蒔いた種。どんな花が咲くかはまだわかりませんが、きっと見たこともない花になるんじゃないかって思います。
また、この結婚式自体が、参加している仲間にとって大きな花を咲かせる種になるかもしれない、という平井さん夫妻の願いも込めています。(名越さん)
結婚がゴールではなくて、スタートラインという考え方。これからどんな花を咲かせるか、楽しみになるネーミングです。
テーマカラーとロゴマーク
今回のテーマカラーは褐返(かちかえし)色と黄金色です。
褐返色とは、着物の染めに使われる濃い藍色のこと。落ち着きと誠実さを持ったこの色は新婦の好美さんが子どもの頃から好きだった色。そして、黄金色は平井さんの亡きお父さんが好きだった色だそうです。
この二色の組み合わせから生まれる絶妙な安定感を気に入ったと新郎の龍之進さんは語ります。
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平井さん夫妻がインスピレーションとして活用する、Pinterestボードがこちら。
二つの和色は植物や空の色、木の色といった自然な色合いにもよく馴染みます。メインの会場である麦畑はやがて成熟し黄金色になることからも、今回のカラーテーマにぴったりです。
ネーミングとテーマカラーをふまえてできた名越さんが作ったロゴマークがこちらです。
これから新しく始まる平井家の紋章もかねたロゴマークを作りたいという平井さんの思いも込められています。
家族を守る盾の中には、新婦・好美さんの実家、渡邉家のかけがえのないパートナーである牛と、平井夫妻の生活の一部となっている植物、そして彼らの個性が織りなす網目、そしてイニシャルを入れています。
デコラティブな紋章に、よりシンプルで現代的な要素を取り入れ、手書きの柔らかい印象にしました(名越さん)
一目見ただけで、ふたりのことがイメージできるロゴマーク。「紋章」という考え方に、平井さん夫妻の未来に目を向けた姿勢を感じます。
ホームページ
新郎新婦のホームページを作ることは、欧米ではメジャーになりつつあります。当日までの準備期間の記録として、さらには参加者とのコミュニケーションツールとして活用できるためです。
当日に来ることができない友人たちとも、式当日だけじゃなく、この道のりも共有したい。式に関わってくれる素晴らしい友人たちをみんなに発信したい。また「こんな素敵なことできたらいいな」と見ている人にとってのインスピレーションになればいいな、という思いもあります(新郎・龍之進さん)
ネーミング、ロゴ、ホームページなど、ナチュラルな人間味あふれるブランディングで、平井さんご夫妻の人となりが感じられます。
5分で新郎新婦のホームページが作れる Honeywedding をはじめ、ウェブページ作成ツールを活用するのもおすすめです。
新郎の龍之進さんに、Tane x hana wedd.が大事にしている考え方や方針について聞いてみました。
すると、具体的なコンセプトやテーマは意図的に設けず、「頑張らない」ことを大事にしている、との答えが。
会場のデザイン、ロゴマーク、ドレス、そしてフードや音楽、すべてにおいて設けた条件はたったひとつ。「平井さん夫妻、そして今回の会場である牧場に似合うモノ」ということだけ。あとはすべて仲間の手にゆだねているのだそうです。
僕らと付き合いの長い彼らだからこそ、この曖昧な条件でも完成度の高いデザインやモノを提供してくれるのだと思います。
仲間たちは、普段のクライアントワークで、なかなか自分たちの意思を反映できないこともあります。ここでは、みんなをしばらず、気張らず、考えすぎず、各自が歩んできた道、ぼくたちと一緒に過ごした時間を、ごく自然に表現してもらえたらいいなと思っているんです(新郎・龍之進さん)
今回ご紹介した、ホームページ、ロゴマーク、テーマカラーがブランディングツールとして、結婚式全体の基軸になっていきます。
次回からは、フード、建築、衣装など、各プロジェクトごとに詳細を紹介していきます。