いよいよ4月25日(土)に公開される注目作『シンデレラ』。世界中で愛されるおなじみのストーリーが、シェイクスピア作品等で知られるケネス・ブラナー監督によってスタイリッシュに仕上げられています。

オーディションでシンデレラ役に選ばれたのは、イギリス出身の女優リリー・ジェームズ。監督が記者会見で「リリーに出会えたことは幸運だった」と語っていた通り、ただ美しいだけでなく、芯の強さと優しい心を持つシンデレラを見事に演じました。

ルーミーでは先日、映画のプロモーションのため初来日を果たしたリリーにインタビュー。眩しいくらいに美しく、知的でユーモアのセンスも兼ね備えた彼女は、まさに現代のシンデレラでした。

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──世界中で大きな話題を呼んでいる『シンデレラ』を日本の映画ファンも楽しみにしていると思います。リリーさん自身は初めて観た時にどのように感じられましたか?

初めて完成した映画を観た時は、完全に圧倒されちゃったわ! 役者って自分の演技に批判的になることが多いし、自分自身をスクリーンで観るって、ちょっと不安にさせられる体験なの(笑)。でも今作では、素晴らしい音楽やCG、ストーリーやケン(ケネス・ブラナー監督)が作り上げた世界観がひとつになって、私はその美しさと魔法に魅了されてしまった。参加できただけでも非常に誇りに思うわ。

──お気に入りのシーンは?

たくさんあるけれど、特にヘレナ(・ボナム=カーター)が演じたフェアリー・ゴッドマザーとのシーンは大好き。とてもリフレッシングで、活気に満ちあふれた楽しいシーンだったわ。シンデレラはたくさんの辛い経験をするし、それまでは悲しいシーンが多かったの。だから、彼女が明るくて元気なシーンを演じられて、すごくうれしかったわ。

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──あのシーンの撮影で苦労やハプニングはありましたか?

素晴らしいことに、ダンテ・フェレッティ(プロダクションデザイナー)の作ったセットはすべて本物だったの。撮影が行われたパインウッド・スタジオの外の森に、劇中の私の家が建てられていたのよ。

お庭やグリーンハウスから泉まで、すべてが本物だった。小さな農場や私が泣いていた壁まで、全部ね。トカゲの格好をした男の人やだんだん膨らむカボチャ、金の馬車もあったわ。役者にとってCGのシーンの撮影って難しいものなのだけど、今作ではすべてが本当に目の前にあったから演じやすかった。

大変だったのは夜の撮影だったということ。夜7時から朝5時まで撮影したから、すごく疲れちゃった。それに真冬で凍えるほど寒かったの。実は私も震え上がっていたのよ(笑)

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──シンデレラとご自身に共通点はありますか?また、彼女から見習いたい部分はありますか?

シンデレラはとても我慢強いと思う。それに上品で凛としているわ。私にも優しさはあるかもしれないけれど、あんなに我慢強くないし、けっこう短気なの(笑)。彼女の自制心を見習いたいわね。

──今作では継母役のケイト・ブランシェットさんや、フェアリー・ゴッドマザー役のヘレナ・ボナム=カーターさんといった、素晴らしい女優たちと共演されています。彼女たちから学んだことや、アドバイスされたことがあれば教えてください。

彼女たちのそばにいられるだけでうれしかった! 撮影だけでなく、プレスツアー(※各国でのプロモーション)も一緒にまわることができたの。すごく強い女性たちなのよ。

大きな存在感があって、寛大で、面白くて、素晴らしいユーモアのセンスの持ち主で…若手の女優としてだけでなく、1人の女性として、一緒にいて大きな影響を受けたの。

彼女たちが人とどのように接するかも見られたし、品格やユーモアがあって素晴らしいと思った。そういった姿勢を私も見習いたいわ。

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──衣装デザインはアカデミー賞を3度受賞した経歴を持つ、サンディ・パウエルさんが担当されました。彼女の手掛けた衣装を着てみていかがでしたか?

サンディは世界屈指の衣装デザイナーで、その仕事はまるで魔法みたい。フィッティングはかなり初期の段階に始まるから、衣装から受ける影響は大きいし、役を演じる上でインスピレーションをもらえるの。

舞踏会のドレスを初めて着た時は思わず息をのんだわ。泣きそうになっちゃった。当時の私はシンデレラを演じることにナーバスになっていて、「どうやって期待に応えればいいんだろう」って、不安でいっぱいだったの。

でも、あのドレスを着ると、まるですごいパワーを持つ鎧を着たような気分になるの。自分が美しく感じられたし、強くなれたわ。あの美しいドレスのおかげで、私がセットに足を踏み入れたらみんながハッと息をのんだのよ。だから、サンディには感謝の気持ちでいっぱいなの(笑)。

(衣装製作担当の宮本遥香さんのインタビューはこちら

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──生まれてから今まで、魔法にかけられたような気持ちになったことはありますか?

恋に落ちる瞬間は、間違いなく魔法にかけられたような気持ちになるわよね。誰かと心のつながりを感じられるって、マジカルなことだと思うわ。それは相手が友だちの場合でも同じだと思うの。一緒に夢中になったり、素晴らしい瞬間を共有できるって、魔法みたいだと思う。

それに音楽にも魔法の力があると思うの。最近、ロンドンのカムデンにあるラウンドハウス(※ライブ会場)に行ったのだけれど、音楽を聴いて、ライトを浴びながらダンスして、まるで魔法をかけられた気分だった!

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──子どもの頃に好きだったディズニー映画やプリンセスは?

プリンセスはみんな大好きだったけれど、特に『美女と野獣』のベルと『リトル・マーメイド』のアリエルに魅了されていたわ。2人とも反抗的なところが好きなの(笑)。

ベルからは、自分には何かもっとあるはずだっていう探究心や、世界を知りたい、探検したいっていう気持ちが感じられる。アリエルは父親の言いつけを守らず、泳いでサメを見に行ってしまったりね。そういうところが好き(笑)。

私はシンデレラも大好きなの。シンデレラの「夢はあなたの心が作り出す願い」(=A Dream is a Wish Your Heart Makes/「夢はひそかに」の原題)というフレーズが好き。人生において、夢が心を奪うという考え方が素敵よね。そうね、私はプリンセスたちの自由奔放な精神に惹かれるんだと思うわ。

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──劇中でシンデレラが母親から言われた「勇気と優しさを忘れないで」という言葉が印象的でした。リリーさん自身は、子どもの頃にお母さんから言われて覚えている言葉や、人生のモットーなどはありますか?

確か聖書からの引用だと思うのだけれど、ママから「変えることのできないことを受け入れ、変えられることを変える勇気を持ちなさい」という意味の言葉を言われたことがあるの。

自分の人生を自分でコントロールするということ、変えられることは変えていき、変えられないことは受け入れて前に進むということを教えてくれたわ。

「ニーバーの祈り(Serenity Prayer)」の中に、「神よ、変えられないことを受け入れる平静な心と、変えられることを変える勇気、そしてその違いを見極める英知を与えてください(God, grant me the serenity to accept the things I cannot change, courage to change the things I can, and wisdom to know the difference)」という言葉がある。

──『シンデレラ』はリリーさんのキャリアにおける大切な作品になったのではないかと思います。10年後、20年後に振り返った時、今作をどのような体験として思い出すと思いますか?

ものすごく幸せな思い出になると思うわ! 今朝の取材で、ケンが撮影が始まってからの2年間について話しているのを聞いていたら、泣きそうになっちゃったの。ものすごく特別でユニークな旅だったし、この役を通していろんな意味で影響を受けたから。

出演する機会をいただけたこと、こうして東京に来られたこと、世界中を旅したこと、こんなに素敵な服を着せてもらったこと、ケイトやヘレナのような女優さんと仕事ができたこと…私は永遠に忘れないわ。いつまでも私の人生における特別な作品であり続けると思う。

それに自分がポスターになったことも! 東京は今作のプレスツアーの最終地点だから、とても感慨深いの。本当に、本当に素晴らしい経験だったわ。

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シンデレラ
監督:ケネス・ブラナー
脚本:クリス・ワイツ
キャスト:リリー・ジェームズ、ケイト・ブランシェット、リチャード・マッデン、ステラン・スカルスガルド、ソフィー・マクシェラ、ホリデイ・グレインジャー、デレク・ジャコビ、ヘレナ・ボナム=カーター
衣裳デザイン:サンディ・パウエル
配給:ウォルト・ディズニー・スタジオ・ジャパン
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4月25日(土)全国公開

シンデレラ』[ウォルト・ディズニー・スタジオ・ジャパン]

Lily James photographed by Tetsuro Sato

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