『J・J』の愛称で親しまれ、外国の映画・文学・音楽に精通し、評論やエッセイ、コラージュなどの書物を多数著した植草甚一氏。

時代は変わっても、その興味の範囲の広さと独特の文体は、今も多くの人に影響を与え続けています。書店には氏の著書がたくさん並んでいますが、著作があまりにも多く、その全貌を覗くのはなかなか至難の業です。

なんとなく植草甚一をかっこいいとは思うけれど、なかなか近寄りがたい…という人に朗報です。

芦花公園にある世田谷文学館で、4月25日(土)より「開館20周年記念 植草甚一スクラップ・ブック」が開催されます。

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今回の展示では、〈映画〉〈文学〉〈音楽〉〈コラージュ〉〈雑学〉〈ニューヨーク〉〈ライフスタイル〉のカテゴリーに分けて主要コレクションを公開する過去最大規模の個展です。

東京に生まれた植草甚一氏は、東宝に勤務しながら映画評を書き始め、1948年に東宝を退社してから本格的に文筆業をスタート。『映画だけしか頭になかった』や『雨降りだからミステリーでも勉強しよう』、『僕は散歩と雑学が好き』などの著作を手がけ、1960年代後半から70年代にかけ、団塊の世代の若者たちを中心に熱烈な支持を集めました。

植草氏の文体は、初期の評論形式から60年代には植草流とも呼ぶべき特異なスタイルを築いていきます。

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今回の展示では、氏の日記のなかでもよく知られている『植草甚一スクラップ・ブック』に収録されていない日記も公開される予定です。

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また、53歳の頃に本格的に開始したコラージュ作品も多数公開されます。

終生買い続けた大量の洋雑誌から気になる記事を切り抜き、ジャンルや作家、雑誌別にスクラップするのが植草甚一の流儀(本人の言葉を借りれば「勉強」の仕方)でした。そのユニークなコラージュのセンスもさることながら、インプットの量の多さだけでなく、「勉強」のプロセスそのものを楽しむ氏の姿を垣間みることができます。

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コラージュというやつは、手元にある無関係な切り抜きをくっつけ合わせ、それが自分の気にいるようになりながら、なにか別なものに変化してしまうときの快感にあるのであって、それはほとんど即興によってできあがってくる。

「池田満寿夫とぼく」(『池田満寿夫全版画作品集』、1972年)より

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晩年には、下北沢に古書店「三歩屋」を開くことを構想していたといいます。その幻の店のイメージを「TOKYO PISTOL」と「 book pick orchestra」のディレクションで展示室内に再現します。こちらでは、書物の中で取り上げた本の数々を実際に紹介します。

ノートや著作、コラージュなどの展示が多数あり、頭と視覚で植草甚一を知ることができる展覧会です。

無料公開される日もあり、関連イベントも多数行われるので、ウェブサイトをチェックしてみて下さいね!

[開館20周年記念 植草甚一スクラップ・ブック]
日時:2015年4月25日(土)~7月5日(日)
会場:世田谷文学館2階展示室
住所:世田谷区南烏山1-10-10
休館日:月曜日 ※ただし5月4日(月・祝)は開館し、5月7日(木)は休館
料金:一般800円、65歳以上、高校・大学生600(480)円、障害者手帳をお持ちの方400円、小・中学生300(240)円
※4月25日(土)、6月6日(土)は開館20周年記念無料観覧日
※5月1日(金)は65歳以上無料
「せたがやアーツカード」割引あり
※障害者手帳をお持ちの方の介添者(1名まで)は無料

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