多くのひとの家と向き合い、家に関する様々な情報を日々蓄積している建築家さん。
そんな家を知りつくしていると言っても過言ではない彼らが、自分の暮らしのために選んだおうちってどんなもの?
建築家さんご自身の家をご紹介するシリーズ第3弾です。(第1弾はこちら。第2弾はこちら)
こちらは広島出身の建築家・H2DO一級建築士事務所を主宰する久保和樹さんが東京都杉並区に構える自宅兼事務所。夫婦2人暮らしで、延床面積33㎡の約10坪、築43年のマンションを約1500万円で購入。入居後6年たって、約350万円をかけてリノベーションしました。
住みながら、どうやってリノベーションしようかずっと考えていました、というとカッコいいけど工事費用が貯まったという理由もあります(笑)
と久保さん。工事費を貯めながら、じっくり考えた結果できた家は、引き戸と可動式家具を駆使することにより様々な表情を見せるユニークな空間です。
まずは小上がりのあるシンプルなワンルームの状態。もちろん小上がりの下は大容量の全面床下収納です。
そこに可動本棚を引出すことで、ゆるやかに区切られたワンルーム状態に。
さらに可動間仕切りを引出すことで、個室が二つうまれて2LDKの間取りに変身です。
可動本棚の端にはきちんとドアだって付いていますよ。
いろいろ変化するのは間取りだけではありません。こちらのグリーンのダイニングベンチ、
ソファ利用から
ワークスペース利用
ハイカウンターにだって変化します。
この家具と内装を纏めてデザインすることにより生まれた、建具のような、家具のような不思議な物を、久保さんは「タテカグ」(タテグ+カグ)と呼んでいます。タテカグにより、ひとつの場所にいろいろな用途をもたせられて、空間を有効活用することが出来ますね。
洗面台はシンプルでミニマム。
トイレはビビッドなカラーのモザイクタイルでアクセント。
食事をするとき、集中して仕事をするとき、友人が遊びにきたとき、などその時の状況に合わせて引き戸や可動式家具で仕切ることで「機能空間が一時的に出現する仕組み」をつくりたかった、と久保さん。
都心でコンパクトに暮らすための機能とアイディアが凝縮された、さすがの住まいですね。
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