「ガラスの茶室 − 光庵」は、なぜこのような日本人が持つ特有の文化が生み出されたのかという根源を問う作品です。
この作品を手がけたデザイナー・吉岡徳仁氏は、アートとデザイン、建築やパッケージなど幅広い領域で活躍しています。
彼の作品は世界のデザイン賞を多数受賞し、ニューヨーク近代美術館(MoMA)をはじめ、パリにあるポンピドゥーセンター、ロンドンにあるヴィクトリア&アルバート博物館で永久所蔵されています。
パリのオルセー美術館に常設展示されているベンチ『Water Block』の作品で知られるほか、20年以上に渡りISSEY MIYAKEの多くのショップデザインやプロダクトデザインを手がけています。
ガラスなど素材の特徴を生かし、シンプルでクリアな印象でありながら、安定感と温かみのあるデザインが特徴です。
そんな吉岡徳仁氏が手がける展覧会『吉岡徳仁 ガラスの茶室 – 光庵』は、京都とフィレンツェの姉妹都市提携50周年を記念し、4月9日(木)から公開されています。
2002年に構想された「透明な日本家屋」の建築計画にはじまり、2011年に『第54回ヴェネチアビエンナーレ』で日本文化を象徴する茶室建築プロジェクトとして発表された模型をもとに、このプロジェクトは進められました。
2015年に京都の天台宗青蓮院門跡境内、将軍塚青龍殿の大舞台に設置されました。
京都市を一望できる標高220mの大舞台の上で、自然と一体化する小宇宙的な空間を味わえます。
また、将軍青龍殿には、日本三大不動の一つに数えられ、平安仏画の最高峰ともいわれる「青不動明王像」が奉納されています。こちらも合わせて拝観できます。
伝統のある建物とロケーションに溶け込む新しいデザイン…。きっと圧巻の景色が広がっていることでしょう。ぜひこの空間を体験してみたいものですね。
会場:京都 将軍塚青龍殿 京都府京都市山科区厨子奥花鳥町28
会期:2015年4月9日~2017年9月(終了)
時間:9時~17時 (16:30受付終了) 会期中無休
料金:拝観料500円