働く理由は一人一人違いますが、ひとつ共通しているのは、接客や料理を通じて生まれる「笑顔」が好きということ。そんなスタッフが思い入れのあるレシピを、エピソードと一緒に紹介します。
第九回目は、212キッチンストア・宮崎店 堺 真由美 よりお送りします。
『子どもたちに伝えたい、お母さんの「恵方巻き」』
「鬼は~そと~! 福は~うち~!」
「福は~うち!」
「福は~うち!」
みなさんは、今年の節分はどんなふうに過ごしましたか?
節分は、我が家で楽しみにしているイベントのひとつです。
子供が作った鬼のお面をかぶるのは、なぜだかいつもおじいちゃん。
大豆や落花生と一緒に飴やチョコレートを撒きます。
福が沢山くるよう願いを込めて、「福はうち!」は多めに撒いて。
木箱一杯の豆や飴やチョコレートを撒き終えたら、みんなで一斉に拾い集めます。
そして、それぞれの歳の数だけ口の中へ。
いつもチョコレートばかり集めるお兄ちゃん、まだ8つしか食べれず悔しがる弟。毎年の賑やかな光景です。
豆撒きのあとは、みんなで手作りの恵方巻きを食べます。
おばあちゃんが言います。
「今年は、西南西の方角をみて。最後まで だまぁって食べるとよ。」
みんなで黙々と、大きな恵方巻きを頬張りながらも、我慢ができずいつの間にか笑顔がこぼれ、いつもの賑やかな食卓になってしまいます。
私は、主人のお母さんが作るお寿司が大好きです。
お婆ちゃんから受け継いだというお母さんのお寿司は、甘くてどこか懐かしいまさに”母の味”。
気付けば、この家に嫁いで15年が経ちました。結婚当初の何もわからない私を、あたたかく迎えてくれた主人の両親。
この土地に慣れるまでに、少々時間がかかりましたが、今では、家族みんなで過ごす食卓が一番の幸せになりました。
主人が育った”母の味”を、今度は私が息子達へと伝える番です。それが、どんなに幸せなことだか今ならわかります。
まだまだお母さんのようにはいかないけれど、いつか息子達が”母の味”を思い出してくれることを願って、今日も台所に立っています。
「お母さんの恵方巻き」
【材料】(2本分)
◎具
・かんぴょう 5g
・干し椎茸 2~3枚
・卵焼き 卵3個分
・きゅうり 1/2本
・桜でんぶ 適量
◎酢飯
・米 2合
・酢 50cc
・砂糖 大さじ1
・塩 小さじ1/2
・焼き海苔 2枚
【作り方】
1. かんぴょう、干し椎茸は、それぞれ水で戻し、別々の鍋で醤油小さじ1、みりん小さじ1、砂糖小さじ1、水50ccで水分がなくなるまで煮る。
2. 卵に砂糖大さじ1、塩ひとつまみを混ぜ、卵焼きを作る。卵焼きときゅうりは細長く切る。
3. 焼き海苔に酢飯を広げ、具材を並べ巻きすで巻いてできあがり。
※我が家の特徴は、酢飯が甘めです
※具材は、季節によって採れる自家栽培の野菜(今回はきゅうりが自家製です)、ホウレン草やきぬさやなどを入れています。
今年の節分は終わってしまったので、太巻きとして休日に家族でつくるのもおすすめです。