Photo by villunderlondon (via flickr, CC BY-ND 2.0)
エレクトロ・ミュージックと一口に言っても、トランスやテクノといったダンスフロア向きの音楽から、アンビエントのような穏やかな、リラックスできるものまで細かくサブジャンルの分かれるカテゴリーです。そんななかで異彩を放つのが、今回紹介するFour Tet。
Four Tet – Ba Teaches Yoga (2013年リリースの最新アルバムBeautiful Rewindより)
Four Tetはロンドン出身のKieran Hebdenのソロ・プロジェクト。ポスト・ロック、ジャズ、ヒップホップの影響を受けたエレクトロニカはじわじわ踊りたくなるダンスミュージックです。
初期のアルバムの成功からフォークトロニカのパイオニア的な存在として知られていますが、Four Tet以前に自身が結成したポストロックバンドFridgeを若干15歳のときにレーベルとの契約に持ち込むなど、若い頃からその才能が開花しているミュージシャンでもあります。
Four Tet名義では楽曲制作以外にAphex Twin、Bonobo、Explosions in the Sky、Radiohead、Bloc Party、Battlesのリミックスも活発に行なっており、フォークトロニカの枠を破ってアグレッシブでノイジーなエレクトロニカがメインの活躍の場所となっているようです。
Four Tet – She Moves She (2003年リリースのRoundsより)
Four Tet – Sing (2010年リリースのThere Is Love in Youより)
現在のところFour Tet名義のアルバムは全部で7枚ありますが、前述のとおり初期の3枚『Dialogue』、『Pause』、『Rounds』は生音をふんだんに使ったフォークトロニカで、それ以後はサンプリングがぐっと減った曲がメインになってきます。それでも全体を通して伝わってくるのは、静謐、スマート、ストイックといった形容詞の似合う、とても知的なダンス・ミュージック。
2013年にパリで行われたPitchfork Music Festivalのフルセット(1時間超)の動画もあるので、夜更けにテンションを上げたいときにいかがでしょう。
Four Tet Full Set – Pitchfork Music Festival Paris