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1990年代から起こった廃墟ブーム。

日本では長崎県端島、通称軍艦島がその一つとして名が知られています。2013年には立入禁止区域などを含めた全域が、googleストリートビューで公開され話題となりました。その荒廃的な風景は不気味ですが、どこか惹き込まれるものがあります。

世界中にある廃墟の写真集『世界の廃墟』は、そんな複雑な感情を喚起させる一冊です。美しい廃墟の写真とともに歴史的背景が書かれており、その成り立ちを知ることができます。

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ブルガリア共産党ホール(ブルガリア/バルカン山脈)

上の写真もその一つ。かつてブルガリアを主導した共産党の集会所です。ソ連の崩壊と共に、たったの7年という短い期間で廃棄されました。トップの写真は建物内部の様子です。

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パワープラント IM(ベルギー/モンソー=シュル=サンブル)

1921年、当時ベルギー最大の石炭火力発電所として建設されましたが、環境意識が高まる時代の流れにより2007年に閉鎖されました。


他にも冒頭で出た軍艦島や大久野島、ナミビアの砂漠に埋もれた街、南極の雪原から発見された小屋など、世界各地の26もの廃墟がインパクトのある写真と共に紹介されています。

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医師の家(ドイツ/?)

これらの不気味な建造物に人はなぜ惹きつけられるのか。その魅力について、監修の佐藤健寿さんはこう記しています。

そこには好奇心やノスタルジアだけでは説明しきれない、心地よさと緊張を同時にはらんだ、矛盾した感覚があるように感ぜられるのは、きっと私だけではないはずだ。

引用:『世界の廃墟』

「心地よさと緊張」が本の前からでも伝わってくるこちらの一冊。購入はAmazon、またはこちらをご覧ください。

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世界の廃墟』 飛鳥新社

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